無題

富士五湖方面旅行記

16・17の土日に妻と富士五湖方面に一泊旅行。会社が所属する健保の保養所が河口湖畔にあり、低料金でかつ新宿からバスでも近いので低廉かつ便利な旅行。 まだ季節的には寒い時期で富士山五合目まではバスが行っておらず、観光場所としては忍野八海と富岳風穴…

長岡弘樹「教場」

長岡弘樹作品「教場」読了。長岡作品を初めて読んだのですが、なかなか味のある作品でありました。 舞台は警察学校で、新たに警察官として採用された人の新人研修での出来事をつづります。なるほど、警察官の研修というものはこういうものかと教えてくれる内…

米沢穂信「真実の10メートル手前」

米沢穂信のおなじみ、大刀洗万智を主人公とした短編小説集「真実の10メートル手前」読了。 短篇小説はどうしても記憶に残りにくく、最後の作品を読み上げて、最初の作品を思い返してもストーリーがよく思い出せない今日この頃。家族からも言われるのですが、…

映画「菊とギロチン」、「ギルティ」

3月9日(土)、飯田橋ギンレイホールにて日本映画「菊とギロチン」鑑賞。時は第一次世界大戦終了後の大正時代で関東大震災直後。大正デモクラシーが次第に影薄くなっていく時代背景。平等社会を目指すアナキストと女相撲の興業一座を絡めた政治色の強い映画…

伊藤詩織「black box」

逮捕状が裁判所から発行されながら、突然逮捕執行を免れたセクハラ犯、および警察捜査に対する批判を込めた被害者、伊藤詩織さん著作作品「black box」読了。この事件は、安倍首相と懇意で、安倍礼賛の本まで出版した元TBSワシントン支局長が、伊藤さんの…

悲しい雨

前にいた会社で大変お世話になった方ががんで亡くなり、3月3日、4日に通夜、告別式が行われました。今日的には60台半ばでまだまだこれからという時に病魔が襲い、帰らぬ人になってしまいました。誠に残念というほか言葉がありません。美人薄命と言いますが…

映画「バジュランギおじさんと小さな迷子」

インド映画「バジュランギおじさんと小さな迷子」を3月3日(日)、新宿のシネマカリテにて鑑賞。 インドは世界一の映画製作国で、相当数が作られているのでしょうが、日本で公開されるのは数本。したがって駄作はまずないのが現実。この映画もその例にもれ…

映画「1987、ある闘いの真実」「バッド・ジーニアス危険な天才たち」

2月23日(土)、韓国映画「1987、ある闘いの真実」とタイ映画「バッド・ジーニアス危険な天才たち」をギンレイホールにて鑑賞。いずれも2度目の鑑賞でしたが、両作品とも傑作で、何度見ても面白い。 「1987、ある闘いの真実」は、全斗煥の軍事政権…

角田光代「薄闇シルエット」

角田光代「薄闇シルエット」読了。アラさー女子の心の内を丁寧に描いた作品というべきか。 37歳のハナさんは大学からの親友チサトさんと下北沢で古着屋を経営。従業員も雇いそこそこ成功している。二人とも独身ながら、チサトさんはバツイチ、ハナさんには恋…

映画「小さな独裁者」

2月16日の土曜日、新宿武蔵野館にてドイツ映画「小さな独裁者」鑑賞。 第二次大戦末期、ナチスの脱走兵が逃走中に軍の車両を見つけ、その中にあった将校の軍服をを着て将校に成りすまし、脱走兵の収容所に出向いて、総統の命令と称し、脱走兵たちを殺戮して…

奥田英朗「バラエティ」

久方ぶりに奥田英朗の短篇集作品「バラエティ」読了。著者があとがきで書いているように、編集者が小説雑誌のシリーズものにすべく人気作家に書いてもらったものの、残念ながらシリーズ化されなかった作品を集めた単行本の短篇集。確かにシリーズにして連作…

映画「七つの会議」

池井戸潤原作の映画「七つの会議」を2月9日の土曜日に鑑賞。野村萬斎が主人公の問題営業マンを演じ、凄味のある演技を見せます。TBSが制作する映画とあって、下町ロケットや半沢直樹的なドラマとなっています。 大手電機メーカー系列の家具製作会社が舞台…

映画「ライ麦畑で出会ったら」「500ページの夢の束」

2月10日の日曜日、ギンレイホールにてアメリカ映画二題鑑賞。 「ライ麦畑で出会ったら」は、学校になじめず、いじめにあったりする高校生の少年が、有名な小説「ライ麦畑でつかまえて」の舞台化のための脚本を書き、作家のサリンジャーを訪ねる話。少年は、…

阿刀田高「だれかに似た人」

阿刀田高作品「だれかに似た人」読了。短編小説の魔術師らしく、10篇いずれも短編らしいウィットが入って、さすがと思わせます。 「Y字路の街」は、事業に失敗した男と、過去に傷を持つ女が、同じ函館行きの飛行機に乗り、函館で再開して親しくなる話。男女…

信州、東北旅行記3

大人の休日倶楽部パスを利用した旅行の3日目。信州から離れて今度は東北宮城の奥松島への旅。 わらび温泉を9:25発のバスで須坂へ。須坂発10:20初の長野電鉄特急に乗り込むとびっくり仰天、席が満杯。何度かこの特急には乗ったことがありますが、こ…

信州、東北旅行記2

大人の休日倶楽部パスの旅2日目は、旅館を8:30に出てバス停まで送迎車で向かい、そこからバスで飯田駅。飯田駅から北信須坂からバスで行く高山郷のわらび温泉。 上諏訪行きの飯田線で上諏訪下車、すぐにスーパーあずさ号に乗り換え松本着、またすぐに名…

信州、東北旅行紀1

大人の休日倶楽部パスを利用した温泉旅行、今回は信州の2温泉と宮城松島地方への旅。 初日の1月24日(木)は、新宿発8:00おスーパーあずさ号に乗り、目的地の南信州昼神温泉へ。 私自身も長野県佐久の生まれで18歳まで住んでいましたが、南信地方…

西加奈子「しずく」

西加奈子さんの作品を読むのは初めて。直木賞作家となり実力者であることは間違いないでしょうが、さてどんな作品を書くのか。 今回読んだのが「しずく」という短編集。表題作含め6作品からなっています。 印象に残った数編を紹介。 「灰皿」は、最愛の夫を…

荻原浩「海の見える理髪店」

荻原浩が直木賞を受賞した短編作品集「海の見える理髪店」読了。表題作はじめ全6篇はいずれも読みごたえのある作品。特に表題作がやはり代表格でしょうか。 表題作「海の見える理髪店」は、ある青年が海岸沿いの理髪店に来たところから始まる物語。口コミで…

映画「運命は踊る」、「判決 ふたつの希望」

1月12日(土)はギンレイホールにて珍しい中東の映画2題鑑賞。 「運命は踊る」はイスラエル映画。ベネチア映画祭審査員大賞を受賞したということで日本で上映にこぎつけたのでしょうが、それほど評価できる作品化?が私の感想。 イスラエルという国柄、常…

浅田次郎「長く高い壁」

浅田次郎先生作品「長く高い壁」読了。浅田先生得意の中国もの。ただ、主人公は中国人ではなく日本軍人。1938年の中国北京近く、万里の長城がある「張 当時の日本軍の中国侵略を時系列に追ってみましょう。 1931年:満州事変勃発、南満州鉄道が爆破…

朝井まかて「最悪の将軍」

平成最後の年末、平成最後の正月、その他多数の「平成最後の」が飛び交った年末年始。特にテレビはすさまじい頻度で語られました。平成を回顧する番組も多かったと思いますが、果たしてこの平成の時代はどう位置づけられるのか?ただ、今上天皇を悪く言う言…

映画「輝ける人生」「フジコ・ヘミングの時間」

12月29日土曜日、今年最後のギンレイホールでの映画鑑賞。 イギリス映画「輝ける人生」は、主人公の主婦が、長年連れ添った夫の浮気を目撃して、すぐに家を旅出して姉のところに転がり込み、そこで姉の人生を謳歌する姿や、姉の友達たちと触れ合って、自分の…

映画「いつか家族に」

韓国映画「いつか家族に」をシネマート新宿にて鑑賞。 中国人作家・余華という方の小説「血を売る男」を、朝鮮戦争が終わった時期の韓国に舞台を移して、俳優のハ・ジョンウが監督・主演した作品。 先日立教大学で、韓国語の通訳を長年されている矢野百合子…

白石一文「ここは私たちのいない場所」

白石一文「ここは私たちのいない場所」読了。 先日読んだ「神秘」に出てくるような中年男性が主人公。 主人公の芹澤さんは、大手食品会社の役員。彼は独身を貫いて仕事一筋で生きてきた優秀なビジネスマン。しかしある事件の責任を取ってあっさりと会社を辞…

桜木紫乃「ふたりぐらし」

桜木紫乃「ふたりぐらし」読了。この小説での二人とは、映写技師で仕事がたまにしかない信好と看護師の紗弓。信好はなかなか仕事が見つからず、半ば紗弓に食べさせてもらっているような状態。それでも、その優しさから紗弓から愛されている。また、信好もま…

映画「パットマン 5億人の女性を救った男」

本日は日比谷のTOHOシャンティにてインド映画「パットマン 5億人の女性を救った男」観賞。 インドの実在の男性、アルナチャラム・ムルガナンサムが、安価で清潔な生理用ナプキンを開発したという実話をもとに、映画ではラクシュミという男性に置き換えて、妻…

映画「マイ・サンシャイン」

アメリカ映画「マイ・サンシャイン」を新宿武蔵野館で鑑賞。武蔵野館を運営するのは武蔵野興業という東証二部上場の会社。新宿駅東口駅前の、武蔵野館の入るビルのほか、すぐ近くのシネマカリテという映画館の入るビルを所有し、不動産業と映画館、そのほか…

映画「レディー・バード」、「タリーと私の秘密の時間」

遅れましたが、12月15日にギンレイホールで鑑賞した2作品の感想。 「レディー・バード」はアメリカ西部カリフォルニアの地方都市に住む女子高校生が、持ち前の勝気な性格で母親に抵抗しながらも、成長していく姿を描く・・・、と単純に描くと青春映画で感動…

柚月裕子「凶犬の眼」

柚月裕子「凶犬の眼」読了。「孤狼の血」で主人公大上刑事の部下となり、大上のやくざとの付き合い方や、やくざの抗争の何たるかを、大上哲学で学んだ若き刑事、日岡が今回の主人公。 大上は前作で殉職し、日岡も違法捜査の責任を取らされて田舎の駐在所に飛…