伊藤詩織「black box」

逮捕状が裁判所から発行されながら、突然逮捕執行を免れたセクハラ犯、および警察捜査に対する批判を込めた被害者、伊藤詩織さん著作作品「black box」読了。この事件は、安倍首相と懇意で、安倍礼賛の本まで出版した元TBSワシントン支局長が、伊藤さんの就職の件で相談に乗るため彼女を誘い、薬を使って意識を失わせ強姦に及んだと言う疑いで逮捕状が発行されたものの、当時の刑事局長の鶴の一声で逮捕執行されなかったという事件。この刑事局長はかつて須賀官房長官の秘書官で政権に近く、容疑者の山口氏もまた安倍政権に近い人物。こうした人物背景から、きな臭いにおいがプンプンする事件で、伊藤さんはその一連の動きを語っています。
結局警察は検察に書類送検したものの、証拠不十分で不起訴。伊藤さんは検察審査会に審査を委ねましたがこちらも不起訴。もし本当に山口氏が薬を使っていたならば誠に理不尽な結果であります。
こうした事件が発生すると、被害者は大変なバッシングを受けます。彼女も相当な嫌がらせを受けたようです。果たして山口氏はそれなりの社会的制裁を受けているのか?
著作自体は、最初の部分は彼女の生い立ちなどが若干書かれて、やや稚拙な内容でしたが、本題に入ると非常に生々しい体験や首長が語られます。
さて、日本におけるセクハラ、パワハラ事件の損害賠償の値段はまだまだ非常に少ない金額。最近NETFLIXアメリカの裁判ものをよく見ているのですが、あちらでの賠償額は日本とはけた違い。日本もアメリカ並みの金額になればもっとセクハラ、パワハラが減るのかもしれませんが。
今日はこの辺で。