2018-01-01から1年間の記事一覧

映画「輝ける人生」「フジコ・ヘミングの時間」

12月29日土曜日、今年最後のギンレイホールでの映画鑑賞。 イギリス映画「輝ける人生」は、主人公の主婦が、長年連れ添った夫の浮気を目撃して、すぐに家を旅出して姉のところに転がり込み、そこで姉の人生を謳歌する姿や、姉の友達たちと触れ合って、自分の…

映画「いつか家族に」

韓国映画「いつか家族に」をシネマート新宿にて鑑賞。 中国人作家・余華という方の小説「血を売る男」を、朝鮮戦争が終わった時期の韓国に舞台を移して、俳優のハ・ジョンウが監督・主演した作品。 先日立教大学で、韓国語の通訳を長年されている矢野百合子…

白石一文「ここは私たちのいない場所」

白石一文「ここは私たちのいない場所」読了。 先日読んだ「神秘」に出てくるような中年男性が主人公。 主人公の芹澤さんは、大手食品会社の役員。彼は独身を貫いて仕事一筋で生きてきた優秀なビジネスマン。しかしある事件の責任を取ってあっさりと会社を辞…

桜木紫乃「ふたりぐらし」

桜木紫乃「ふたりぐらし」読了。この小説での二人とは、映写技師で仕事がたまにしかない信好と看護師の紗弓。信好はなかなか仕事が見つからず、半ば紗弓に食べさせてもらっているような状態。それでも、その優しさから紗弓から愛されている。また、信好もま…

映画「パットマン 5億人の女性を救った男」

本日は日比谷のTOHOシャンティにてインド映画「パットマン 5億人の女性を救った男」観賞。 インドの実在の男性、アルナチャラム・ムルガナンサムが、安価で清潔な生理用ナプキンを開発したという実話をもとに、映画ではラクシュミという男性に置き換えて、妻…

映画「マイ・サンシャイン」

アメリカ映画「マイ・サンシャイン」を新宿武蔵野館で鑑賞。武蔵野館を運営するのは武蔵野興業という東証二部上場の会社。新宿駅東口駅前の、武蔵野館の入るビルのほか、すぐ近くのシネマカリテという映画館の入るビルを所有し、不動産業と映画館、そのほか…

映画「レディー・バード」、「タリーと私の秘密の時間」

遅れましたが、12月15日にギンレイホールで鑑賞した2作品の感想。 「レディー・バード」はアメリカ西部カリフォルニアの地方都市に住む女子高校生が、持ち前の勝気な性格で母親に抵抗しながらも、成長していく姿を描く・・・、と単純に描くと青春映画で感動…

柚月裕子「凶犬の眼」

柚月裕子「凶犬の眼」読了。「孤狼の血」で主人公大上刑事の部下となり、大上のやくざとの付き合い方や、やくざの抗争の何たるかを、大上哲学で学んだ若き刑事、日岡が今回の主人公。 大上は前作で殉職し、日岡も違法捜査の責任を取らされて田舎の駐在所に飛…

柚月裕子「盤上の向日葵」

柚月裕子作品「盤上の向日葵」読了。これまた560ページの大作。ただし会話が多い作品で、読みやすく、文字量としては400ページぐらいの物量なので、そんなに長編とは感じつ、かつぐいぐいと引き込まれる作品。中学生騎士藤井聡太の出現によって俄然盛り上が…

映画「悲しみにこんにちは」、「ワンダー」

久しぶりのギンレイホールでの映画鑑賞。本日はスペイン映画「悲しみにこんにちは」とアメリカ映画「ワンダー」 両方の映画とも子供が主役ということで、年齢層の高いお客さんの多いギンレイホールはさすがにいつもほどの盛況ではなく、空席も見られました。…

白石一文「神秘」

白石一文作品「神秘」読了。560ページの大作ではたして最後まで飽きずに読み終えるかと心配しましたが、次第に興味深くなり、ペースも上がって読み終えました。 私(菊池)を中心にして、一つの出会いがまた他の出会いを生み、その積み重ねが最後に終結し…

2018年秋東北旅行記

大人の休日倶楽部パスを利用した2018年秋の東北旅行記。今回も妻が同行。 初日は11月30日、東京駅7:52発はくたか号から開始、行先は山形県遊佐町の鳥海温泉郷。上越新幹線の方が早いのですが、いつも同じではつまらないので北陸新幹線経由としました。北陸…

白石一文「光のない海」

白石一文「光のない海」読了。 白石作品を集中的に読んでいますが、本作も読みやすい語調で、すいすいと読めましたが、主題がどこにあるのかが若干あいまい。 少年時代に父親が家を出て母親に育てられた兄と妹。母親も少年が高校生の頃亡くなって、天涯孤独…

映画「30年後の同窓会」「さよなら、僕のマンハッタン」

週末はギンレイホールにてアメリカ映画二題鑑賞。 「30年目の同窓会」は、ある意味反戦映画であり、またある意味では国を守るという大きな任務を持つ軍隊・軍人を賛美するような映画。ベトナム戦争の戦友3人のうち一人の男の息子がイラクで戦死し、別の二人…

白石一文「一瞬の光」

白石一文シリーズの読書続行中。今回読了したのは、彼のデビュー作というべき「一瞬の光」。 38歳の若さで大企業の人事課長になった橋田浩介という東大出身のエリートサラリーマンが、ある夜偶然に、採用面接した短大生を暴漢から助けるところから話が始まる…

白石一文「彼が通る不思議なコースを私も」

白石一文「彼が通る不思議なコースを私も」読了。300ページほどの作品ですが、文字の区切りが短く、ページに空き空間が多いため、実質は半分ぐらいのページ数のためあっという間に読めました。もちろん内容もよくて、先を読みたいがためにどんどん読み進めた…

白石一文「愛なんて嘘」

直木賞作家、白石一文の短編集作品「愛なんて嘘」読了。 白石作品は久しぶりに読みましたが、更に腕を上げたという印象。 表題の「愛なんて嘘」は、6作品が納められたこの短編集に共通な主題のようにも感じた作品集。 どの作品も味わい深いのですが、登場す…

雫井脩介「望み」

雫井脩介作品「望み」読了。ある夫婦の高校生の息子が行方不明になり、殺人事件に関係しているらしいことがわかる。夫は息子が殺人を犯すはずがないと主張し、妻は犯罪者であっても生きていさえすればいいと主張。目撃証言などから、息子が犯罪の共犯者なの…

映画「バグダット・スキャンダル」、「Search」

今週末は興味深い映画二題鑑賞。 4日の土曜日は新宿シネマカリテにてアメリカ映画「バグダット・スキャンダル」観賞。1990年にイラクが突然クウェートに侵攻し、アメリカをはじめとした国々がイラクを攻撃した湾岸戦争。日本はもちろん参加ぜせずに、後で90…

柚月裕子「蟻の菜園」

柚月裕子の「蟻の菜園」読了。いま最も人気のある女流作家の作品は、親の愛に恵まれず、父親からはひどい虐待を受けて育った姉妹の悲しい物語。虐待を受けたがゆえに、固い絆で結ばれた姉妹が、やむなく犯罪に手を染めてしまうのですが、少なくとも父親に対…

浅田次郎「おもかげ」

久しぶりに浅田次郎作品「おもかげ」読了。一流商社に勤め役員になれなかったものの、子会社の役員を務めて65歳で引退した竹脇正一が、送別会の日に病に倒れ、意識をなくす。そんな彼を見舞いに来た商社の社長の、彼への思いから話が始まる。いかにも浅田次…

改憲討論会

10月7日(日)午後、改憲に関する映画上映と討論会に参加。 映画は、14名の一般の方を集めて改憲について討論する場面を追った作品で、複数の改憲案について自分はどれが一番考えが近いかを最初に国会議員がその主張を述べたものを参考に決め、討論を重ね、…

映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」

イギリス映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」をギンレイホールにて鑑賞。 日本人のメーキャップアーチストが、ゲーリー・オールドマンをチャーチルそっくりに仕上げ、アカデミー賞を取ったことでも話題になりましたが、1940年のナ…

映画「判決、ふたつの希望」

週末に貴重かつ希少な映画鑑賞。ほとんど上映機会のない中東はレバノンの映画「判決 ふたつの希望」をシネマート新宿で鑑賞しました。 中東=イスラムのイメージですが、中東の国にもキリスト教信者はたくさんいるようです。とある日、レバノン人のキリスト…

映画「検察側の罪人」、「フロリダプロジェクト」

本日は新宿ピカデリーにて日本映画「検察側の罪人」、ギンレイホールにてアメリカ映画「フロリダプロジェクト」観賞。 「検察側の罪人」は、木村拓哉、二宮和也のダブル主演によるミステリーで、期待して観たのですが、心に残るような映画ではありませんでし…

ドキュメンタリー映画「生死(いきたひ)」

本日はもう一本、立教大学にてドキュメンタリー映画「生死(いきたひ)」の鑑賞と監督した長谷川ひろ子氏の講演聴講。 小野映画は、長谷川氏が夫をがんで亡くした際に、闘病の様子をビデオにとっていたことから、それを題材にして、看取りを主題にして撮った…

映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

本日は新宿武蔵野館にてタイ映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」観賞。高校生によるカンニング映画ということで、コメディチックな映画と思いきや、堂々のサスペンス映画。一瞬も目を離せない緊張感があり、お見事の一言。 とある私立高校に転入して…

「軍事的安全保障研究」に関するシンポジウム

昨日9月22日(土)、日本学術会議にて「軍事的安全保障研究費」に関するシンポジウムに参加。 確か数年前の新聞記事で、大学が防衛相に絡む研究を受託していることが報じられたことがありました。アカデミズムの象徴たる大学が、軍事に絡む研究をすることに…

映画「君の名で僕を呼んで」

本日は秋のお彼岸ということで、女房・息子と3人で墓参り息子と電車で出かけるのは何年ぶりになるか?自宅近所で食事ぐらいはするのですが、電車に乗って出かけるのは、彼が高校生になってからなかったような気がします。別に仲が悪いということではないので…

映画「1987、ある闘いの真実」

韓国映画「1987、ある闘いの真実」をシネマート新宿で鑑賞。 「タクシー運転手」が先行して上映され、同じ全斗煥政権時代の光州事件を描いていましたが、この映画は全斗煥政権末期の民主化運動をドラマチックに描いてた力作。 未だ大統領選が公選制になって…