2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

今年鑑賞の映画を振り返る(1)

飯田橋ギンレイホールが閉館し、未だ移転先が見つからないようで、私の映画鑑賞数も減少傾向ではありますが、地元にある下高井戸シネマの会員になりそれなりに行っていて、更に新宿武蔵野館にも足を運んではいます。ただブログに書き込むことが中断していた…

窪美澄「よるのふくらみ」

「じっと手を見る」に続いて窪美澄さんの「よるのふくらみ」読了。本作も同じように「私」として出てくるのは保育士のみひろさん、みひろの中高の同級生だった祐太さん、祐太さんの兄でみひろと結婚前提に同棲した圭祐さんで、3人が二回ずつ、6篇の連作短編…

窪美澄「じっと手を見る」

1年前の第167回直木賞を「夜に星を放つ」で受賞した窪美澄さんの「じっと手を見る」読了。初めて読む女性作家ですが、大胆な性描写から度肝を抜かれるが、そこを我慢して読み進めると、味のある小説でした。 連作短編の形をとっているが、「私」として出…

永井紗耶子「商う狼 江戸商人 杉本茂十郎]

またまた永井さんの時代物「商う狼」読了。実在した江戸時代の商人で政治家に近づいて権勢をふるった杉本茂十郎の生涯を、茂十郎が兄と慕う有力な札差、堤弥三郎が老中となった水野忠邦に語り聞かせる形で話が展開。 茂十郎は甲斐の豪農に生まれ、18歳で江戸…

永井紗耶子「大奥づとめ」

「木挽町のあだうち」で直木賞を受賞し、時代物小説の売れっ子躍り出た永井紗耶子ですが、すでにその前から読み応えのある作品をたくさん書いています。その中でも飛び切り面白い作品が本作「大奥づとめ」。 本作は大奥づとめをした五人の女性の大奥での生活…

秋吉理香子「婚活中毒」「灼熱」

秋吉理香子さんの二作品読了。 「婚活中毒」は4編からなる婚活に関するブラックジョーク的な作品で、笑わせるとともに、現代の結婚事情を考えさせる物語。 「理想の男」は四十路に届こうかという女性が男性に振られ、実家に帰って地元の結婚相談所で理想的な…

読書履歴の簡素化

今までボケ防止も考えて、己の読書歴をできるだけ詳細に残そうと、概略ストーリーを書いてきましたが、手の腱鞘炎(ばね指)の状態が思わしくないため、簡略化することに。 久保坂羊「悪医」。久保坂氏は自身が医師で、その方面の作品が中心。本作はがんの手…

身延山、湯河原夏の一人旅

8月3日(木)~5日(土)の二泊三日にて身延山、湯河原温泉一人旅決行。今回は近場の為、各駅停車にての、のんびり旅。 下高井戸から京王線・高尾からJR中央線、甲府からJR身延線を乗り継いで身延に14:47到着。旅館送迎車にて身延山久遠寺三門近くの田中屋…

石川智健「ニジュウ 誤判対策室」

石川智健氏の作品を読むのは初めてで「ニジュウ 誤判対策室」は、現在話題となっている木原官房副長官の妻が関係したかもしれない夫の死に関する事件?も捜査したような過去の殺人事件で冤罪の可能性がないかを精査し、可能性があれば再捜査するような部署、…

岩井圭也「付き添うひと」

岩井さんの作品は初めて、略歴を見ると1987年生まれの36歳ということで、本作「付添うひと」を読んだ限りでは、今後が楽しみな作家。 付添人とは、少年事件において、少年に寄り添い少年の権利を守っていく人のことで、主に弁護士が勤めます。本作の主人公は…

吉田修一「路」

私事ですが、60歳以降身体に病魔がはびこり、これでもかこれでもかと襲い掛かっています。直近では手の腱鞘炎が現れ、マウスを操作したり、キーを打ち込んだりすると痛みが激しくなります。専門医によると安静が第一とのことで、できるだけパソコン操作等、…