中山七里「カインの傲慢」

中山先生が臓器売買の闇を題材として書いた「カインの傲慢」読了。 今世の中はコロナ禍で、格差の拡大がさらに顕著となっているといわれる。国連はSDGs(持続可能な開発目標)を掲げ、17項目の目標を掲げているが、その多くに絡んでいるのが第一番目の「貧…

中山七里「セイレーンの懺悔」

中山先生がメディアの功罪について鋭く迫った「セイレーンの懺悔」読了。「セイレーン」は、ギリシア神話に登場する上半身が人間の女性、下半身は鳥の姿とされる海の怪物で、航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせるという生…

映画「すばらしき世界」

西川美和監督、役所広司主演と聞くだけで観たくなる日本映画「すばらしき世界」を5月9日(日)、下高井戸シネマにて鑑賞。 同じヤクザが主人公の直近作「ヤクザと家族」もなかなか良い作品ではありましたが、本作も素晴らしい映画。ただし、本作の主人公が本…

映画「罪の声」

5月6日(木)、下高井戸シネマにて日本映画「罪の声」鑑賞。 日本全国を恐怖に陥れたグリコ・森永事件は、初めての劇場型犯罪であり、かつ未解決事件に終わった、戦後最大ともいわれる脅迫事件。犯人の刃の対象となったのは食品メーカーのグリコ、森永等の複…

長い黄金週間と旅行とコロナ

途中に3日間の平日があったものの、一日は会社の指定有給休日、残り二日を個人的な休みにして、11連休の長期休暇となった今回の黄金週間。何もない日々ながら何となく日は過ぎて、7~8日だけ緊急事態宣言のなか小旅行で富士五湖方面へ。新宿からバスで向か…

中山七里「TAS 特別師弟捜査員」

中山先生の学園物推理小説「TAS 特別師弟捜査員」読了。中山作品の学園物では「どこかでベートーヴェン」という作品がありましたが、本作も似たようなシチュエーションと言えば言えるでしょうか。 とある高校の演劇部所属の才女高校生が美術室の窓から落…

映画「37セカンド」「朝が来る」

2021.05.02(日)、ギンレイホールにて日本映画二題鑑賞。いずれも重いテーマを扱った好作品で、見ごたえのある映画でした。ちなみに、ギンレイホールでの日本映画は久しぶり。前日の一日(土)に開映10分前に行ったのですが、既に会場は満席のことで、出直…

映画「ミセス・ノイズィ」

下高井戸シネマにて日本映画「ミセス・ノイズィ」鑑賞。ほとんど有名俳優の出ていない、いわゆる低予算映画の部類に入る作品ですが、こうした作品の中にミッケ物の作品が時々ありますが、本作はその一作。 表題通り、騒音を振りまくミセスが出てきます。その…

中山七里「アポロンの嘲笑」

中山先生が東日本大震災と福島第一原発事故をバックグラウンドに発生したテロ事件を題材にしたスリラー「アポロンの嘲笑」読了。 中山作品でわかりや易いのは、実名がポンポン出てくること。福一事故も張本人の東電の名前が無責任会社として堂々と語られます…

映画「パリの調香師 幸せの香りを探して」

4月24日(土)、ギンレイホールにてフランス映画「パリの調香師 幸せの香りを探して」鑑賞。あまり期待していなかった分、退屈することなく鑑賞できる、希少価値のある映画でした。 運転手派遣会社に勤務する男が派遣された先が、かつて有名ブランドのヒット…

中山七里「ネメシスの使者」

中山先生が刑事司法制度問題、特に重罪事件の犯罪加害者・被害者家族がその判決で苦悩する姿を描いた作品「ネメシスの使者」読了。 死刑制度の賛否については、日本では圧倒的に制度存続賛成派が80%と言われるほど、世界の他国とはかけ離れ、当分死刑制度廃…

東野圭吾「11文字の殺人」

久しぶりに東野圭吾作品「11文字の殺人」読了。東北旅行中の列車移動中の読書には、軽くて読みやすいものがよいだろうと思い図書館で借りた文庫本でしたが、東野作品としては駄作の部類に入る、何の感動も面白みもない作品。しかし、驚くことに1990年の第一…

東北3県の温泉と桜巡り旅

4月16日~19日の3泊4日で東北の青森・秋田・岩手の温泉と城跡公園の桜巡りを楽しみました。新型コロナのまん延防止等特別措置期間中の東京からの脱出に非難がある向きもありますが、どちらかというと日本の中で時は極めて感染者数が少ない東北3県。宮城県は…

中山七里「おやすみラフマニノフ」

中山先生の岬洋介シリーズの一作「おやすみラフマニノフ」読了。 ロシアの作曲家ラフマニノフの最高傑作と言われる協奏曲第2番の演奏を最後のハイライトとする本作もまた、クラシック音楽への中山先生の造詣が思う存分に発揮された作品。ミステリーは、誰が…

中山七里「作家刑事毒島」

中山先生の毒島刑事シリーズ「作家刑事毒島」読了。警視庁刑事だった毒島は、取り調べ中に容疑者が死亡したことの責任を取り警察を退職し、売れっ子作家に転身する。しかし、その犯人検挙率を買われて刑事の技能指導員になり、非常勤で警察職員を兼務してい…

映画「あのこは貴族」

日本映画「あのこは貴族」を4月11日(日)、武蔵野館で鑑賞。 日本には現在貴族制度はありませんが、格差社会は急速に進行して、コロナ禍になって更に格差が広がっていると言われる。この映画はコロナ禍以前の撮影なのですが、冒頭の上級一族の元旦の食事場…

中山七里「ヒポクラテスの試練」

中山七里のヒポクラテスシリーズ第三弾、「ヒポクラテスの試練」読了。シリーズ物は登場人物のキャラクターがわかっているので、すいすい読める利点があります。今週月曜日に図書館で借りた二冊、「合唱」と本作はいずれもシリーズものであることから、3泊4…

映画「パピチャ 未来へのランウェイ」「ニューヨーク 親切なロシア料理店」

4月3日(土)、ギンレイホールにて映画二題鑑賞。 日本のジェンダーフリー度が150か国中120位という記事が出て、男女差別状況が依然改善されていないことが話題になっています。特に政治、経済分野でのギャップが大きく順位を下げているようですが、五輪関係…

中山七里「合唱」

中山七里の岬洋介シリーズ第3弾、「合唱 岬洋介の帰還」を一日で読了。「もう一度ベートーヴェン」の続編の趣のある作品で、本作はミステリー中心。従ってピアノ演奏の詳細な場面ば出てきません。 続編たる所以は、前作の語り人である天生検事が被告人となっ…

韓流ドラマ「モンスター」

Netflixにて韓流ドラマ「モンスター」鑑賞。何と全50話という長丁場ながら、見だすとすぐに次の回を観たくなるのは中毒のようなもの。「愛の不時着」以来、韓流ドラマにはまってしまったがために、どれだけ時間を損しているか?一面では反省中。 本作は一階…

中山七里「もういちどベートーヴェン」

中山七里先生のベートーヴェンシリーズ第二弾、「もういちどベートーヴェン」読了。前作の「どこかでベートーヴェン」は、高校の学園ものでしたが、前作でピアニストになることを諦めた岬洋介が司法試験に合格し、司法実習を受けるなかで一件の殺人事件の謎…

中山七里「どこかでベートーヴェン」

中山七里作、岬洋介主演の学園ものミステリー「どこかでベートーヴェン」読了。中山先生はよっぽどクラシック音楽に造詣が深いのか、岬洋介が演奏するピアノのすばらしさを、これでもかこれでもかと実況中継してくれますが、この演奏中継部分はほとんど私の…

本間龍「転落の記」

ノンフィクションライター本間龍著「転落の記」読了。本間氏については、YouTube番組、「一月万冊」やデモクラシータイムズのコメンテーターとして、最近よく目にし、元博報堂社員で広告業界に詳しいことは知っていたのですが、博報堂社員時代に事件を起こし…

中山七里「さよならドビュッシー」

中山七里先生が2008年ごろに書いた長編第二作目で、かつ最高傑作ともいわれる「さよならドビュッシー」読了。中山先生の代表作だけあって、次がすぐ読みたくなる面白さが最後まで続く作品で、文庫410pも長さを感じさせない、メリハリのある作品。2008年度の…

横山秀夫「ノースライト」

寡作作家、横山秀夫が6年ぶりに発刊した「ノースライト」読了。前作「64」は、がちがちの警察ものでしたが、本作はミステリーというよりはヒューマンストーリーと言った方がふさわしい作品。勿論、ミステリー要素もあることから、2019年の週刊文春ミステリ…

重松清「旧友再会」

久しぶりの重松清の著作「旧友再会」読了。重松清特有の語り口はここでも健在。 本作は、表題作を含む短編5作で構成され、いずれも重松節ともいうべき家族や友人関係が語られます。 「あの年の秋」の舞台は1970年代初め。日中国交回復とパンダ騒動、横井正一…

中山七里「ヒポクラテスの憂鬱」

中山七里先生のヒポクラテスシリーズ第二弾「ヒポクラテスの憂鬱」読了。前作「ヒポクラテスの誓い」同様、非常に面白い作品に出来上がっています。サスペンスにある不合理性も少ない作品。遺体解剖という法医学の分野を扱う難しさを、よくもこれだけ読みや…

中山七里「総理にされた男」

中山七里が政治に切り込んだ作品「総理にされた男」読了。若き宰相、間垣統一郎が急病で生命の危機に瀕し、間垣内閣の樽見官房長官が、間垣総理のそっくりさんの役者、加納慎策を強制的に拉致して、総理の影武者として演じることを要請し、慎策はそれに応じ…

映画「82年生まれ、キム・ジヨン」「フェアウェル」

3月6日(土)は、ギンレイホールにて映画二題鑑賞。 韓国映画「82年生まれ、キム・ジヨン」は、韓国でベストセラーになった小説の映画化。小説は韓国で100万部を突破したとのことで、日本でも出版された。五輪組織委員会の森会長の「女性が入ると会議の時間…