2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「それでも生きていく-地下鉄サリン事件被害者手記集」

地下鉄サリン事件被害者の会編「それでも生きていく-地下鉄サリン事件被害者手記集」読了。 先日、地下鉄サリン事件23年目の集いに出席し、改めて事件について興味がわき、本書を読みました。 かつて、村上春樹の「アンダーグラウンド」を読みましたが、そ…

浅田次郎「天切り松闇語り第五巻 ライムライト」

浅田次郎先生のシリーズの最新刊、「天切り松闇語り第五巻 ライムライト」読了。 第一作を読んで感動してから何年がたつのか?とにかく抜群に面白いシリーズ。今作は、表題作をはじめ6作ですが、どれもはずれなし。目細の安吉一家のそれぞれが主役を張るオ…

桜木紫乃「風葬」

桜木紫乃さんの初の長編小説である「風葬」読了。 長編といっても200ページほどの中編、相変わらずに読みやすい筆致。北海道根室と釧路を舞台に、桜木さんらしい雰囲気を十二分に醸し出す寒々とした作品。もちろん、「寒々」は作品が寒々しいのではなく、…

教育現場への不当介入

財務省の決裁文書改ざん問題が燃え盛る中、またまた政治家と役所の不祥事が発覚。 現場の教育内容には、原則口を挟まないことになっている文科省が、自民党政治家2名のしつこい要請を受けて、前川前文科事務次官が名古屋の中学校で講演を行ったことに関して…

西日本新聞編著「水俣病50年」

水俣病関連書籍の読書「水俣病50年-過去に未来を学ぶ」読了。 水俣病公式確認から50年目の2006年、西日本新聞社が新聞連載した水俣病に関する連載記事をまとめた本書は、患者側からだけでなく、原因企業であるチッソや行政からの目線も交えて、多角的に公害…

財務省決裁文書改ざん事件

3月2日の朝日新聞報道以来、国会(野党ヒアリングを含む)では、森友問題と文書改ざん問題一色となっています。ネット内のコメントの中には、こんな問題をいつまでやっているんだ・・・といったものも見受けられますが、さすがに国会では与党議員も口をつむん…

地下鉄サリン事件23年目の集い

地下鉄サリン事件から23年が経過しました。たまたま朝日新聞に23年目の集いがあるという記事を見つけ、日暮里のホテルラングウッドに17日(土)、参加してきました。 東京メトロの霞が関駅で被災・死亡した高橋一正さんの奥さん、高橋シズエさんが被害…

「水俣病患者とともに 日吉フミコ闘いの記録」「四大公害病」

水俣病関連書籍の読書記録、今回は「水俣病患者とともに 日吉フミコ闘いの記録」読了。 水俣病のような大事件では、必ず生涯をかけて企業や行政、議会、更には社会と闘ってきた人物がいますが、日吉フミコさんもその一人。学校の先生から水俣市議会議員に転…

映画「ユダヤ人を救った動物園 ~アントニーナが愛した命~」

3月11日は東日本大震災から7年目となる日。私が初めて被災地を訪れたのが、震災から3か月ほど経過した2011年6月、石巻でした。当時はまだ石巻市街の商店街ががれきや泥掃除をしているような時期。ほんの数時間の滞在でしたが、被害のすごさは実感で…

映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」「幼な子われらに生まれ」

3月10日(土)は、午前中ギンレイホールにて映画二題鑑賞。 「夜空はいつでも最高密度の青色だ」は、2017年のキネマ旬報第一位の作品。石井裕也監督は、「舟を編む」などの作品で評価が高い監督ですが、この映画は、どちらかというとエンタメ映画ではなく…

森友学園 決裁文書改ざん疑惑

3月2日の朝日新聞の爆弾記事、森友学園用地貸付・売却に関する財務省の決裁文書改ざん疑惑が国会を混乱に貶めています。改ざんの事実がなければ、すぐに朝日の記事を否定すれば済む話ですが、検察捜査を理由に否定も肯定もできないと回答。朝日新聞も社運…

佐高信「原田正純の道 水俣病と闘った生涯」

水俣病関係書籍の第三弾は、佐高信作「原田正純の道 水俣病と闘った生涯」。 水俣病を勉強していて必ず出てくる方は何人かいますが、その中でも特筆すべき医学者、原田正純先生。 その生涯を公害病の患者の立場に立った活動をやってこられた原田先生は、75…

映画「コンフィデンシャル/共助」

3月3日(土)、シネマート新宿にて韓国映画「コンフィデンシャル/共助」鑑賞。 文在寅大統領誕生以来、朝鮮半島情勢に変化が出ていることはご承知の通り。平昌五輪開催以来、合同チーム編成など、北からのサインがしきりに出て、南北融和が進んでいるという…

是枝裕和「雲は答えなかった 高級官僚 その生と死」

水俣病関連書籍として、映画監督是枝裕和が書いた「雲は答えなかった 高級官僚 その生と死」読了。 水俣病に関しては、その発生認知(1956年)からチッソの責任が確定(1968年)するまでに12年、さらにそこから損害賠償訴訟が提起され、国の責任が…

石牟礼道子「苦海浄土」

石牟礼道子「苦海浄土」読了。 読むきっかけは、立教大学であった石牟礼道子氏の文学に関するシンポジウム。恥ずかしながら、今年2月に亡くなるまで知らなかった作家で、訃報の記事を読み、水俣病患者救済について大変な尽力があったということを読み知った…

映画「ツナミ TSUNAMI」

韓国映画「ツナミ」を韓国文化院で鑑賞。 この映画で唯一評価できるのは、3.11東日本大震災の2年前の2009年に製作されていたこと。日本海でも巨大津波が来ることをデータから予見する科学者、それに耳を貸そうとしない幹部という構図は、日本の政府や学…