2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

中山七里「護られなかった者たちへ」

中山七里先生の問題作「護れなかった者たちへ」読了。中山先生の小説には、まず駄作はないのですが、本作が最高傑作の部類に入るのではないかという渾身の作品。単なるミステリーではなく、生活保護の問題点を抉り出す作品となっています。生活保護と殺人事…

中山七里「スタート」

中山七里先生が映画製作現場を舞台にしたミステリー小説「スタート」読了。日本映画界のカリスマ監督、大森宗俊が病魔を押して映画を作ることになり、大森家族を集める。しかし、今回はテレビ局が幹事社となる製作委員会方式の映画。早速、テレビ局の看板女…

総務省幹部官僚違法接待問題と菅義偉首相の責任

「(長男は)今もう40(歳)ぐらいですよ。私は普段ほとんど会ってないですよ。私の長男と結びつけるちゅうのは、いくらなんでもおかしいんじゃないでしょうか。私、完全に別人格ですからね、もう」 これは、2月4日の衆議院予算委員会で、首相の長男が東北…

中山七里「ヒポクラテスの誓い」

サスペンスのベストセラー作家、中山七里のヒポクラテスシリーズ第一作「ヒポクラテスの誓い」読了。ヒポクラテスは、古代ギリシャの医者で、いわゆる西洋医学の父ともいわれる偉人。それまで医学は、迷信や呪術と深くかかわってきましたが、ヒポクラテスは…

セクハラ発言と密室人事

五輪組織委員会の森会長の女性に対する不適切発言を行い、その謝罪会見でも不遜な態度をとり、世界中からの非難に耐え兼ねて、ようやく辞任表明。そして、不祥事で辞任した者が後継指名するという、再々の不適切行為も判明し、批判がさらに大きくなった。 問…

韓流ドラマ「SKYキャッスル」

韓国の学歴社会は日本とは比べ物にならないほど顕著であるらしいことはよく耳にする。そんな韓国における、高学歴を目指す家族たちの姿を描いたTVドラマ「SKYキャッスル」全36回をNetflixにて視聴。 SKYキャッスルとは、お金持ちが住む高台にあるお城…

映画「KCIA 南山の部長たち」

1979年10月に、かつて大統領を長期にわたって勤めた朴正煕大統領が韓国中央情報部(KCIA)トップであった金載圭に暗殺された事件が発生し、衝撃的な事件として記憶がある。この事件を題材にした韓国映画「「KCIA 南山の部長たち」を2月13日(土)、シネマー…

中山七里「能面検事」

中山七里の検事ものミステリー「能面検事」読了。まだ続編はできていないようですが、個性的な検事、不破俊太郎を主人公とした犯人捜しのミステリーで、連作短編形式の小説。新人の女性検察事務官、惣領美晴の目から見た不破の活躍を描いている。 若いころの…

有森隆「巨大倒産」

経済ジャーナリストの有森隆著「巨大倒産 絶対潰れない会社を潰した社長たち」読了。 世に大企業と呼ばれる企業はたくさんあるが、いかに大きな企業でも、経営のかじ取りをする社長の役割は極めて重い。そんな社長の経営手腕によって、大企業が倒産する姿が…

映画「ヤクザと家族 THE FAMILY」

2月6日(土)、TOHOシネマ新宿にて、日本映画「ヤクザと家族 THE FAMILY」鑑賞。「新聞記者」を撮った藤井道人監督のオリジナル脚本で、暴対法施行以降のヤクザ社会の現実を映し出す。Yahooレビューが4.5近い作品ですが、その評価に劣らない、救いはないもの…

映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」

下高井戸シネマにてドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」鑑賞。 東大法学部を卒業し、志を持って総務省のキャリア官僚として入省したものの、省利省益、前例踏襲、OBが幅を利かす官僚の世界に嫌気がさし、一念発起、国会議員選挙に立候…

内閣官房機密費の闇

ようやく始まった国会の見せ場は、本会議ではなく一問一答がある委員会。中でも予算委員会は首相も出席することが多く、最も重要な委員会であります。コロナ一色の国会質問の中、先週の参議院予算委員会で、共産党の小池議員が内閣官房機密費について質問し…