2015-01-01から1年間の記事一覧

中島京子「長いお別れ」

中島京子「長いお別れ」読了。英語に訳せばロング・グッド・バイ。高齢化社会ですでに大きな社会問題化しつつある認知症患者の急増と、家族の苦労を淡々と描きます。 昇平は80歳の認知症老人。既に10年前から認知症を患い、手のかかる存在。そんな夫の面倒を…

矢部宏治著「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」

矢部宏治著「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」を読み終えました。今年の夏は戦争法案反対デモが全国で盛り上がりました。私も衆議院及び参議院の特別委員会での採決の日に国会周辺に行って、皆さんと一緒にシュプレヒコールをあげてきました。その…

映画「独裁者と小さな孫」

本日、新宿武蔵野館で「独裁者と小さな孫」鑑賞。とある国の独裁大統領がクーデターにより失脚。行き場を失い、孫を連れて必死に逃亡するお話。とある国がどこなのか?監督がイラン人ということで、中東、北アフリカの独裁国家を連想させる。チュニジアから…

映画「きみはいい子」「海街ダイアリー」

本日はギンレイホールにて日本映画「きみはいい子」「海街ダイアリー」鑑賞。 「きみはいい子」は、とある町で暮らす認知症が気になるおばあさん、子供の虐待がやめられない若いお母さん、そして小学校4年生を受け持つ若い新米教師の三人と、そのまわりでい…

映画「雪の轍」

13日、日曜日にギンレイホールにてトルコ映画「雪の轍」鑑賞。 武蔵野館でもやっていたのですが、やたらに長く、退屈な映画という先入観があり観ていませんでしたが、いざ観てみると、それほど長さを感じさせない映画。普通であれば途中で居眠りをしてしまう…

今野敏「疑心 隠蔽捜査3」

今野敏「疑心 隠蔽捜査3」読了。キャリア警察官でありながら、息子の事件で左遷され大森警察署の所長として活躍する竜崎を主人公とするシリーズの一つ。 今回はアメリカ大統領の来日警備を主題にして、竜崎が方面本部長を任命され、無事に事件を事前解決す…

薬丸岳「アノニマル・コール」

久々の薬丸岳作品「アノニマス・コール」読了。 アノニマス・コールとは匿名電話の意味。3年前に警察を辞め、妻とも離婚した朝倉は、派遣労働者として悲惨な暮らしをしている。そんなある日、別れた妻のところに匿名で娘を誘拐したとの電話があり、妻が朝倉…

桜木紫乃「それを愛とは呼ばず」

桜木紫乃作品「それを愛とは呼ばず」読了。東京でホテルマンとして長く働いていた50代の男がホテル火災で失業し故郷の新潟に帰る。そこで務めた会社の年上の女社長に気に入られ結婚。しかし、女社長は交通事故で帰らぬ人に。女社長の実子に追い出されるよう…

映画「パレードへようこそ」「裁かれるは善人のみ」

22日はギンレイホールにて「パレードへようこそ」鑑賞。イギリスの1980年代、サッチャー政権の時代。 ロンドンでレズ・ゲイの人たちが炭鉱スト応援の募金活動をして、実際にウェールズの炭鉱町に出かけていって支援する話。当時のイギリスでも当然にレズや芸…

東北温泉の旅2015年11月

大人の休日倶楽部フリーパスを利用した秋の東北旅行記。 今回も東北温泉三昧の旅を満喫しました。 初日は11月13日、金曜日。妻とは3回目の大人の休日倶楽部の旅。平泉の世界遺産、中尊寺と毛越寺を散策。いにしえの東北平泉の映画を忍びました。中尊寺では…

映画「君が生きた証」

11月7日(土)、ギンレイホールにて映画「君が生きた証」鑑賞。 冒頭は父親が大学生の息子に電話で昼食を誘う場面。息子は躊躇するようなそぶりは見せるものの、何ら変わった様子はなし。約束の場所で父親は息子を待つが、息子はなかなか来ない。約束を破ら…

映画「インターン」

アメリカ映画「インターン」鑑賞。歌舞伎町にできたTOHOシネマズ新宿で初めての映画鑑賞。今日は1日ということで入場料も1,100円ということで、ネットで席を前日予約。ネット予約が普及しており、かつ人気作品ということで、前日夜9時ごろにはかなりの席…

映画「おみおくりの作法」「イマジン」

ギンレイホールにて、映画二題鑑賞。 「おみおくりの作法」は、ロンドンのある地域で、身寄りが分からずに亡くなった人の身辺整理とお葬式を行っている民生係の役人のお話。主人公はできる限り親族や知人を捜してお葬式に出てもらうことをモットーに、手間暇…

映画「顔のないヒットラーたち」

ドイツのナチス関連映画「顔のないヒットラーたち」を武蔵野館で鑑賞。 ナチス指導者たちの犯罪はニュルンベルグ裁判で裁かれ、その後もナチスの犯罪者たちへの訴追は続いていたようですが、時とともに西ドイツ国内でも次第に関心が薄れ、国民全体が「古傷に…

石田衣良「北斗」

久しぶりに石田衣良作品を読む。虐待と殺人という重いテーマを主題にした長編作「北斗」。 虐待されたことも、したこともないので、虐待の持つ恐ろしさ、連鎖性などはわかりませんが、とかく事件になるのは、自分も虐待されていた子供が大人になって、自分の…

日本学術会議主催シンポジウム「亀裂の走る世界の中で」

日本学術会議主催おシンポジウム「亀裂の走る世界の中で」が早稲田大学大隈小講堂で開催されていたので参加しました。 今年の年初にフランスで起きた「シャルリ・エブド事件」、ISによる日本人人質殺害事件、そして今進行中のシリアからヨーロッパへの大量…

映画「ベル&セバスチャン」

武蔵野館にて、フランス映画「ベル&セバスチャン」鑑賞。1943年のスイス国境に近いフランスの山村を舞台にした少年と犬の愛情あふれる物語。とにかく犬(真っ白のゴールデンリトリバー?)の健気さと少年のコラボレーションが光る、誰でもが安心して観れる…

東野圭吾「マスカレード・イブ」

東野圭吾の「マスカレード・ホテル」で出会う警視庁の刑事新田浩介とホテルの優秀なフロントウーマン山岸尚美が、出会う前の二人のエピソード4篇が収められた短編集。 「マスカレードホテル」では、二人が協力して難事件を解決するストーリーだったと思いま…

柚月裕子「ウツボカズラの甘い息」

柚月裕子「ウツボカズラの甘い息」読了。「検事の本懐」などの法廷ものを得意とする女流作家で、山形在住。今回山形、米沢への温泉旅行のおともにこの作品を持参して読み終えました。 450ページも長編ですが、これだけ長くする必要があるのか?柚月作品と…

東野圭吾「歪笑小説」

久しぶりに東野圭吾作品「歪笑小説」を読む。電車で読んでいて、ついつい笑ってしまう作品。本当に話がうまい作家です。 12編の短編から構成される作品ですが、登場人物は出版社の編集者と作家たち。名物編集長の作家への気遣い、自分では大作家と思ってい…

米沢秘湯めぐり

今年のような9月の大型連休(シルバーウィーク)は、11年後しか来ないとのこと。11年後では自分も生きているか極めて怪しい? ということで、折角ですので24・25日も休暇をとり、まさしく大型連休にして、23日から25日の今日まで、米沢の秘湯2カ所を訪問。…

三浦しおん「光」

三浦しおん作品「光」読了。 美浜島という架空の島に津波が襲い、生き残ったのは5人だけ。その5人の20年後の物語が描かれます。北海道南西沖地震で奥尻島があっという間に津波にのまれたのを想定したのでしょうが、ちょっと極端すぎるプロローグ。その津…

映画「マジック・イン・ムーンライト」「バードマン」

本日ギンレイホールにて、「マジック・イン・ムーンライト」「バードマン」鑑賞。 「マジック・イン・ムーンライト」は、ウッディ・アレン監督作品ならではの雰囲気(表現が難しい)を持つ、明るい恋愛映画。マジシャンの男性をコリン・ファースが演じ、霊能…

奥田英朗「ナオミとカナコ」

久々の奥田英朗作品「ナオミとカナコ」を2日間でスピード読了。恥ずかしながら、読む速さは遅く、女房子供にバカにされるのですが、そんな中、2日間で読み上げるのは異例の速さ。その面白さに引き込まれ、夜遅くまで読むことに。 奥田作品のいいところは、…

松岡圭祐「カウンセラー完全版」

「探偵の探偵」がドラマ化され注目されている松岡圭祐作品「カウンセラー完全版」読了。 小学校の音楽教師がピアノによって不登校児を登校させるような教育をしたといことで文科省から表彰されるところから話が始まります。その女教師が主人公なのかと思いき…

映画「サンライズ」

東京フィルムセンターにて、8月29日に約90年前のアメリカ映画「サンライズ」鑑賞。正確には1927年の製作で、もちろん無声映画ですが、音楽はついていました。残念ながら英語に字幕は出るのですが、その日本語訳は画面に出ず、少ない英語の知識で英語を読み取…

映画「ナイトクローラー」

本日は新宿シネマカリテにて「ナイトクローラー」鑑賞。 衝撃的な事件や事故現場にいち早く到着して、その惨劇の現場をビデオカメラでとらえ、それをテレビ局に売り込む商売に入り込んでいく男の狂気の物語。 かつてイギリスのダイアナ妃を追いかけたパパラ…

映画「どん底」、「近松物語」

本日、京橋の東京フィルムセンターにて映画二題、フランス映画「どん底」と日本映画「近松物語」鑑賞。 「どん底」は1936年の製作で、ヨーロッパではベルリンオリンピックが開催され、いよいよナチスドイツが周辺諸国へ侵略を開始しようとしていたころ。ジャ…

真保裕一「トライアル」

真保裕一「トライアル」読了。競輪、競艇、オートレース、競馬をテーマに4つの短編が収録された作品。競輪、競艇、オートレースが、それぞれ人間がまたがる機械的な要素のある乗り物であることから、それを掘り下げている点が興味深い作品。私は、てっきり与…

映画「ベルファスト71」「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」

本日は武蔵野館で「ベルファスト71」、バルト9で「ミッション・インポッシブル」鑑賞。 「ベルファスト71」は、北アイルランド紛争が激しかったころの話。確かに私がまだ子供のころは、北アイルランド紛争が激しく、なんでイギリスのような先進国が内戦をし…