2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

鈴木忠平「嫌われた監督 落合博満は中日を変えたのか」

落合と言えば、打撃の三冠王を3回獲得、ロッテ、中日、巨人、日本ハムを優勝請負人として渡り歩いた大選手、かつ中日の監督として8年間に日本シリーズ5回進出、日本一に1回という堂々たる成績を残した名監督でもあった。しかし、現役選手時代からその言動が…

下村敦史「コープス・ハント」

下村敦史作品「コープス・ハント」を速攻で読了。速攻とはかなりの飛ばし読み的意味合い。 「コープス」とは死体という意味。したがって作品名を日本語的に訳せば「死体探し」。 連続主婦殺しの最後の標的となってしまった若い女性が「夫から殺しを依頼され…

映画「親愛なる同志たちへ」「パーフェクト・ケア」「皮膚を売った男」

映画「親愛なる同志たちへ」「パーフェクト・ケア」「皮膚を売った男」 映画三題まとめてレビュー。 4月19日(火)、新宿武蔵野館にてロシア映画「親愛なる同志たちへ」鑑賞。今現在進行しているロシアによるウクライナ侵攻。1991年にソ連邦が解体し、今のロ…

雫井脩介「犯人に次ぐ2 闇の蜃気楼」

雫井脩介作品は「望み」以来約4年ぶり、「犯人に次ぐ1」を読んでからは15年ぶりとなりました。雫井と言えば「火の粉」という傑作がありますが、今回読了した「犯人に次ぐ2闇の蜃気楼」もなかなか読み応えがある、面白い作品でした。 主人公は神奈川県警の…

伊兼源太郎「巨悪」

横山秀夫調の硬派サスペンス作家、伊兼源太郎「巨悪」読了。一週間ほど前に読んだ伊兼作品「金庫番の娘」の姉妹編のような作品ながら、登場人物は与党実力者の馬場と、特捜部長の鎌形、美人検事の髙品が出てくるぐらいで、その他は一新された人たち。 東京地…

2022年4月東北・信州温泉旅行記

大人の休日倶楽部パスを利用した温泉旅行旅を4月14日(木)~17日(日)の3泊4日で行ってまいりました。 今回の温泉地は、秋田の日影温泉、新潟の瀬波温泉、信州の湯田中温泉。 東北地方での地震の影響で東北新幹線が一部不通になっており、全線復旧が4月…

下村敦史「失踪者」

下村氏は「生還者」でも雪山登山を扱った作品を書いていますが、雪山登山作品第二弾の「失踪者」読了。 主人公は、本書の語り部となる山岳カメラマンの真山道弘だが、もう一人の重要な主役は、真山の親友であり、最高のクライマーである樋口友一。樋口は孤高…

伊兼源太郎「金庫番の娘」

伊兼源太郎さんが政治の世界を描いた「金庫番の娘」読了。政治家、特に国会議員にとって秘書は極めて重要な存在。政務担当秘書とか公設秘書とか私設秘書などの言葉をよく耳にしますが、本作で最も重要視される秘書は財務担当秘書、すなわち政治家の金庫番で…

映画「由宇子の天秤」「英雄の証明」

4月5日(月)はギンレイホールとシネマカリテをはしごで2作品鑑賞。いずれもなかなかの面白さで及第点。 日本映画「由宇子の天秤」は、テレビのディレクター兼学習塾の講師を勤める由宇子さんが、いじめ事件のドキュメンタリーを制作する途中で、学習塾を経…

伊兼源太郎「密告はうたう」

伊兼源太郎氏の作品を3冊図書館で調達し、この一週間は伊兼三昧の予定。まずは「密告はうたう」読了。 320ページの長編で、作中人物が多いこともあり、最初に人物名の紹介があるのはありがたい限り。もっと登場人物がいても紹介がない本もあり、こうした本は…

下村敦史「真実の檻」

下村敦史が冤罪事件の真相に挑む作品「真実の檻」読了。 母親の由美さんががんで亡くなり、その遺品整理をしている中で、主人公の石黒洋平は、自分の実の父親が今の父親である石黒剛ではないのではないかと疑問を抱き、ネットで調査したところ、20年前の起き…

伊兼源太郎「地検のS(エス)」

読んでいて、横山秀夫の小説ではないかと錯覚を覚えるほど、その語り口が似ていると感じた作品、伊兼源太郎「地検のS(エス)」読了。伊兼氏は1978年生まれというから、まだ44歳ぐらいの方。2013年、今から9年前というと彼が30代半ばで書いた「見えざる網」…