2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画「妖怪の孫」

3月25日(火)、新宿ピカデリーにてドキュメンタリー映画「妖怪の孫」鑑賞。妖怪とは昭和の妖怪と言われる岸信介、そして孫が安倍晋三。平日の11:30ながら、新宿ピカデリーの7番スクリーンは満席。但し、東京23区内で上映しているのは新宿ピカデリーだけで、…

道尾秀介「風神の手」

道尾さんの連作中編シリーズは、大体第一章から二又は三章までが個別の話題を語り、終章でそれらがまじりあって終結するというパターンが多いが、本作「風神の手」もそのパターン。そしていずれも出会いの場は、本作では写真館。 第一章「心中花」の主人公は…

亀井洋志「どうして私が犯人なのか」

亀井氏はサンデー毎日、週刊文春専属記者を経て、現在はフリージャーナリスト。特に刑事司法関係に詳しいジャーナリストで、そんな亀井氏が、冤罪がいかにつくられているかを、謡的事件の取材を通して怒りを込めて記したのが本作「どうして私が犯人なのか」。…

2023年3月箱根旅行記

2023.03.24~25、金曜から土曜にかけて一泊二日で箱根旅行。東京からの交通便がよく、何度も訪れてはいますが、箱根は矢張り奥が深い温泉場。特にお宿はいいところがたくさん。 10:00新宿発のロマンスカーで箱根湯本へ。今回訪れるのは仙石原方面でバス移動…

道尾秀介「龍神の雨」

道尾秀介作品の連続読み、今回は2009年刊行の「龍神の雨」読了。 境遇が似た二組のきょうだい、蓮と楓は、幼いころ親が離婚して父親が家を出てしまい、母親が睦男という男と再婚。その後すぐ母が交通事故で亡くなり、血のつながらない父親と暮らす。辰也と圭…

道尾秀介「いけないⅡ」

道尾秀介さん「いけない」シリーズ第二作「いけないⅡ」読了。道尾さんの傑作部類に入るのではないかというシリーズだけあって、非常に興味深く読めた作品。構成が連作短編風にうまく繋がっています。 第1章「明神の滝に祈ってはいけない」桃花は両親と姉の4…

道尾秀介「透明カメレオン」

道尾秀介さんは、どの章から読んでも話が通じてしまう不思議な小説「N」が最近の傑作でしたが、本作「透明カメレオン」はちょっと古い2015年に刊行された作品。 主人公の恭太郎さんは放送局に一般職で就職し、その声がDJ向きということで、深夜番組のJD…

天童荒太「迷子のままで」

天童さんらしい2作品からなる「迷子のままで」読了。150ページの短編2作品ということで、1日で読了出来ましたが、読んでいるうちに既読感が生まれました。特に2作目の「今から帰ります」はどこかで読んだ気がしたのですが、ブログ内にはないので勘違いかも。…

辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」

世の中からいじめはなくならない。学校、職場、家庭では様々ないじめが横行し、多くの人間がある時はいじめられる側、ある時はいじめる側、そしてある時は傍観者として、そのいじめに関わることになる。本作は女子中学生である小林アンさんが学校でのいじめ…

憲法14条「法の下の平等」は未だ達せられず

2023年2月27日、大阪地裁で、聴覚支援学校に通学していた井出安優香さん(当時11歳)が、2018年に重機にはねられて死亡した事故の損害賠償訴訟の判決があった。両親は健常者と同水準の逸失利益を求めていたが、判決は全労働者の平均賃金の85%というものであ…