2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

恩田陸「祝祭予感」

恩田陸さんは「蜜蜂と遠雷」で数年前に直木賞を受賞しましたが、その時の舞台が芳ケ江国際ピアノコンクールでした。本作「祝祭予感」はそれを祝って書いたような(失礼)作品の趣。6短編からなり、当該コンクールにちなんだ人々の物語が中心。 祝祭と掃苔」…

秋吉理香子「終活中毒」

秋吉理香子さん作品も読みやすい部類で、しかもページ数が少ないのがうれしい限り。 本作は“中毒”というどぎついタイトルが付けられていますが、タイ取りに相応しいのは第一作ぐらいで、後は全く禍々しい話ではなく、むしろ感動する“死”にまつわる短編4つで…

小野寺史宣「タクジョ」

小野寺さんの作品はほんのり心を癒してくれる系で、本作「タクジョ」はその中でもピカ一に面白い作品。私はシリーズ二作目の「タクジョ みんなのみち」を最初に読んだので順番が逆になってしまいましたが、「みんなのみち」も面白い作品で、違うのは全ての短…

木内一裕「ドッグレース」

「小麦の法廷」に続く木内一裕作品「ドッグレース」読了。 小麦の法廷に比べると、静に対してこちらは動のアクションスリラー。矢能政男は元やくざで今は私立探偵。やくざ時代は大組織の幹部級まで言ったきれる男。そんな矢能に女性弁護士から児嶋という薬の…