2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

清水潔「犯人はそこにいる」

ジャーナリスト清水潔氏の渾身のノンフィクション「犯人はそこにいる」読了。本作は2014年の日本推理作家協会賞(評論その他部門)も受賞した、非常に読み応えのある作品。典型的な冤罪事件として有名な足利事件を、警察・検察・裁判所に犯人にされてしまい…

アニメ映画「鬼滅の刃」

10月16日~18日の3日間で46億円の興行収入をあげたという話題のアニメ映画「鬼滅の刃」をTOHOシネマ新宿にて鑑賞。私自身は全く興味がなかったのですが、妻が原作本のファンでぜひ見たいといい、付き合わされた次第。 原作もテレビのアニメも見ていない自分…

魚住昭「官僚とメディア」

共同通信記者から現在はフリージャーナリストとして活躍する魚住昭著「官僚とメディア」読了。書名とは異なり、ことさら官僚とメディアの関係を記述しているわけではなく、どちらかと言えば権力とメディアの関係を中心に記した本、 最初にあるのは、安倍前首…

瀬木比呂志・清水潔「裁判所の正体 報復を着た役人たち」

元裁判官の瀬木比呂志とジャーナリストの清水潔共著「裁判所の正体 報復を着た役人たち」読了。二人の対談形式で、主には清水氏が現在の裁判所、裁判に関する実態を瀬木氏に聞くような対談形式の著作で、瀬木氏が「絶望の裁判所」「ニッポンの裁判」で書かれ…

小杉健治「結願」

小杉健治の弁護士鶴見京介シリーズの一作「結願」読了。 「結願」は「けちがん」と読み、「日数を決めて行った法会や願立てなどの予定日数が満ちること、又はその最終日」という意味を持つ仏教用語。この作品では、四国八十八か所のお遍路の最後の日といった…

非正規労働の待遇格差是正問題

“正規社員と非正規社員” 読んで字のごとく、“非”常に嫌な言葉であるが、他に適切な言葉がないので、使うことをお許しください。 安倍政権は、一億総活躍社会と称して雇用の拡大をその成果として自画自賛したが、結局増えたのは非正規社員であり、最低賃金す…

映画「ジョジョ・ラビット」「1917命をかけた伝令」

17日(土)はギンレイホールにて映画鑑賞。雨模様の中、上映開始30分近く前に入館したのですが、かなり混んでいました。まだ座席は30%着席禁止状態ですが、2作品とも人気で待ちかねていた方が多いからなのかも知れません。ちなみに先週の2作品時はこんなに…

菅首相は日本学術会議が推薦した会員候補6名の任命拒否を直ちに撤回せよ

日本学術会議(以下学術会議)が会員候補として推薦した105名のうち、6名が政府に任命拒否された事実が10月1日明らかになった。学術会議会員の定数は210名、任期が6年。3年ごとに半数が入れ替わることになっており、次の会員候補は学術会議が推薦し、首相が…

瀬木比呂志「ニッポンの裁判」

元裁判官で、現在は明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志が、「絶望の裁判所」の姉妹書としてかいた「ニッポンの裁判」読了。瀬木氏は、最高裁調査官も勤められた、いわばエリート裁判官のはずですが、どんなきっかけで日本の裁判所を絶望と感じ始めたのか?…

小杉健治「覚悟」

小杉健治の法廷ミステリー小説「覚悟」読了。先日読んだ「法廷ミステリー傑作集」の延長上で借りた本で、小杉氏の得意分野。小杉作品で登場する弁護士の鶴見京介がミステリーを解明していく作品です。 同じ会社に勤める男女二人が殺害され、その会社の派遣社…

映画「ストーリー・オブ・マイライフ 若草物語」「リンドグレーン」

10月10日(土)は56年前に東京オリンピックが開幕した日。当日は晴天でありましたが、本日は雨模様で映画鑑賞には絶好の日。ギンレイホールにて映画二題鑑賞。 アメリカ映画「ストーリー・オブ・マイライフ 若草物語」は、ルイザ・メイ・オルコットの自伝的…

映画「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」

韓国映画「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」を武蔵野館にて鑑賞。しばらくの間、映画館の席が定員の半分に抑えられ、隣の席が必ず空いていましたが、それも解除されたようで、席予約時の画面に指定できない席がなくなっていました。しかしながら、地味な映画…

東野圭吾「しのぶセンセにサヨナラ」

東野圭吾さんは1985年に「放課後」で江戸川乱歩賞、1999年に「秘密」日本推理作家協会賞、2006年に「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞していますが、この作品は乱歩賞と推理作家協会賞の間に書かれた作品で、「浪花少年探偵団2」を新装版として文庫化されたも…

山前譲縁偏「法廷ミステリー傑作集 判決」

徳間文庫の「法廷ミステリー傑作集 判決」読了。当代一流のミステリー作家による法廷劇の傑作を集めた短編集で、読みごたえが充分にある作品。 松本清張「奇妙な被告」。金貸しの老人が殺害され謝金をしていた28歳の青年が状況証拠と自白で起訴される。国選…

東北旅行記

10月2日~5日の3泊4日で東北旅行に行ってきました。6月に延期となった大人の休日倶楽部パスが9月末~10月初旬に実施されることになり、更にはGotoトラベルの東京除外も解除されたことから、計画を立てたもの。 初日は2年前に行った奥入瀬渓流を再訪。これは…

佃祐世「約束の向こうに」

40歳で司法試験に合格し、現在弁護士として活躍中の佃祐世氏著「約束の向こうに」読了。 まず年齢にびっくりし、かつ4人の小さなお子さんがいることにもびっくり。佃さんの夫は裁判官でしたが、脳腫瘍が発見され、その後は神経系統の病気も併発して、最後は…