無題

池井戸潤「不祥事」

花咲舞が活躍する第一作「不祥事」再読。もうかなり前に読んだ記憶はありますが、ほとんど覚えていないことをまずは実感。最近の記憶力の低下は甚だしい限り。認知症が近いのか?認知症にならないためにも、できるだけ思い起こして書くことに熱中するように…

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」読了。花咲舞が活躍する同名のテレビドラマの原作は「不祥事」だったのですが、さすがにテレビの影響力はすごく、池井戸さんが読売新聞に連載した同じ花咲舞の活躍する小説のタイトルは「花咲舞は黙ってない」になってしまい…

映画「ハンター・キラー」

イギリス映画「ハンター・キラー」を新宿シネマカリテにて観賞。 この週末は5月としては異例の連続真夏日。特に北海道帯広は観測史上最高の気温をこの五月に記録するという異常気象。7月8月が逆に寒くならなければよいのですが。 東京も暑いですが、新宿に行…

映画「マチルド、翼を広げ」

フランス映画「マチルド、翼を広げ」をギンレイホールにて観賞。ギンレイホールで前週までかかっていたのが、樹木希林が出演していた「日々是好日」だったので超満員でしたが、今回は空席も目立ちました。平均的に日本映画のほうがお客さんは多い感じはしま…

池井戸潤「下町ロット ガウディ計画」「ロスジェネの逆襲」

本の文字が頭に入らないときに、それを解消するために読んで効果があるのが池井戸潤作品。久しぶりに池井戸作品二題読みました。その効果は抜群。あっという間に読了できました。 「下町ロケット ガウディ計画」はご存じ大田区の中小企業でありながら、最先…

辻村深月「家族シアター」

いま最も乗っている女流作家のひとり、辻村深月さんの「家族シアター」読了。お恥ずかしながら、直木賞作家でありながら読むのは「つなぐ」以来2冊目。「かがみの古城」を図書館に予約中ですが、なかなか回ってこない状態。 今回は短編集の「家族シアター」…

中村文則「掏摸」

中村文則「掏摸」読了。純文学と言われる芥川賞作家の作品は、私の頭ではどうしても理解が追い付かず敬遠しがちで、受賞者の作品を読むのは吉田修一作品以来でしょうか(又吉の「火花」も未読)。吉田作品にしても、ほぼほぼ大衆文学的な作品ばかり。 さて、…

裂石温泉旅行記

ゴールデンウィーク中の旅行記を忘れていたので記載。 5月連休中の恒例となっている塩山の裂石温泉。5月2日~3日にかけて行ってきました。この温泉は電車でも気軽に行ける距離にあり、ぷらっと出かけるにはもってこい。しかも秘湯の雰囲気を味わえるのでうれ…

朝井まかて「雲上雲下」

朝井まかて「雲上雲下」読了。今や歴史小説の第一人者となりつつある朝井まかてさんですが、この作品は一風変わった、民話風作品の寄せ集め集といったところでしょうか。 「団子地蔵」は、転がった団子を追いかけた爺さん婆さんが、大きな伽藍堂に迷い込み、…

映画「モリのいる場所」「日々是好日」

本日はギンレイホールにて日本映画二題鑑賞。実は昨日も足を運んだのですが、20分前に到着したにもかかわらず、すでに立ち見とのこと。仕方なくあきらめてウォーキングに切り替え。飯田橋からいつものように桜並木の遊歩道を歩いて四ツ谷へ、そして90度…

裂石温泉旅行

長期連休2回目の温泉旅行は、3回目となる山梨県塩山の「裂石温泉」雲峰荘に5月2日~3日の一泊で行ってまいりました。 御代替わりで、テレビも新聞も雑誌も「平成最後の」、「令和初めての」が盛んに飛び交い、耳にタコができるほどでしたが、私にとっての温…

奥田英朗「我が家のヒミツ」

奥田英朗さんの「我が家のヒミツ」読了。6つの家族のヒミツというほどではないものの、それぞれの家族に起こった事象を軽妙に綴った短編作品集。 「虫歯とピアニスト」は、歯科医院で事務をしている敦美さんが、自身も好きな有名ピアニストが来院したことか…

中島京子「妻が椎茸だったころ」

中島京子さんの短編「妻が椎茸だったころ」読了。薄い本なので、一冊だけ持ち四万温泉の域帰りのバスで読むことができました。ただ、バスに乗っていると、どうしても眠くなってしまうことから、なかなかページが進まないのが難点。毎日の通勤電車ではスイス…

四万温泉温泉旅行

大型連休2日目の28日は、かねてより計画していた群馬四万温泉への旅。今回も妻とのアベック旅行。 去年は一人で伊香保温泉に行きましたが、群馬の名湯で行っていなかった四万温泉で草津、伊香保、四万を克服できました。 東京駅前9:00発の直行バスで四万…

映画「ビリーブ 未来への大逆転」

4月27日(土)、長いゴールデンウィークの初日は、新宿武蔵野館にてアメリカ映画「ビリーブ 未来への大逆転」観賞。クリントン大統領時代にアメリカ最高裁判事に任命され、今でも現役の女性判事ルース・ギンズバーグが若いころに弁護士として女性の権利拡大…

映画「家へ帰ろう」

珍しいアルゼンチン映画「家へ帰ろう」を下高井戸シネマにて鑑賞。題名からは想像できなかったのですが、異種のホロコースト映画。しかも非常に優れた映画でした。無駄な場面がほとんどなく、上映時間も1.5時間以内で、物語が凝縮しています。 アルゼンチ…

中島京子「平成大家族」

中島京子さんが平成18年ごろに書いた作品「平成大家族」読了。70歳で歯医者さんを辞め現在72歳の家族の当主一家は、夫婦と引きこもりの息子、老母の4人暮らし。ところが長女の夫が事業がうまくいかず自己破産して親子3人が転がり込み、次女が離婚して転が…

米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」

米澤穂信のミステリー作品「儚い羊たちの祝宴」読了。良質なミステリー短篇が5編納められた作品で、米澤ワールドが展開します。いずれも「バベルの会」という大学の読書会に関係する登場人物が登場する連作の趣もありますが、話自体はすべて単独で関係性はあ…

奥田英朗「我が家の問題」

私の好きな作家のひとりでもある奥田英朗「我が家の問題」読了。書名の通り、6つの家族の中で起こっている家族問題をユーモアと、そして若干のミステリーも含んで、奥田さんらしい筆致で描かれた短編集。ほぼ完結している作品もあれば、「これからどうなる…

薬丸岳「Aではない君と」

薬丸岳づいている今日この頃。彼の長編「Aではない君と」を読了。薬丸岳作品は、処女作の「天使のナイフ」がそうであったように、実際にあった少年犯罪をベースにした作品が多いのが特徴ですが、この作品も神戸であった14歳の幼女殺害事件がベースになって…

薬丸岳「その鏡は嘘をつく」

薬丸岳の夏目刑事シリーズの長編書き下ろし作品「その鏡は嘘をつく」読了。「刑事のまなざし」で鮮烈デビューを果たした夏目刑事を主人公とした作品。この作品では、W主演として志藤検事も登場し、両者がそれぞれ別の事件を追っているうちに、それが結びつ…

映画「ディア・ハンター」、「ペパーミント・キャンディー」

先週末は40年前の映画「ディア・ハンター」と20年前の映画「ペパーミント・キャンディー」を鑑賞。 「ディア・ハンター」は、マイケル・チミノ監督の代表作にして、アカデミー作品賞、監督賞に輝いた渾身の一作。私が見るのは何年ぶりか?忘れましたが、ロシ…

薬丸岳「刑事の約束」

薬丸岳の夏目刑事シリーズ第4作「刑事の約束」読了。短編連作集ですが、どの作品も読みやすく、そして夏目刑事の人間を見る鋭い視線が描かれている作品。 「無縁」は戸籍のない少年とその親代わりの男を描く。万引き容疑で捕まった少年の身元は沈黙を押し通…

古処誠二「いくさの底」

第71回日本推理作家協会賞受賞作、古処誠二「いくさの底」読了。太平洋戦争時の日本のビルマ侵攻時、とあるビルマの山間の小さな村に駐屯した日本軍の少人数の守備隊の隊長が殺された事件を主事件として、戦争における軍隊の統率の在り方、侵攻した土地の…

映画「イップ・マン外伝 マスターZ」

3月31日(日)、新宿武蔵野館にて香港映画「イップ・マン外伝 マスターZ」鑑賞。 ご存じ、ドニー・イェンが演じたイップ・マンはもの静かな武道家でしたが、前作「継承」でも出演していたマックス・チャンがイップ・マンの後継者的な役回りで悪を倒していく…

深水黎一郎「人間の尊厳と八〇〇メートル」

深水 黎一郎「人間の尊厳と八〇〇メートル」読了。6年前に日本推理作家協会賞短編部門受賞の表題作を含めた5編の短編集。深水黎一郎氏は初めて聞く名前で、もちろん読むのも初めて。 ミステリーの範疇も相当広くなっているのを感じますが、特にこの作品は…

薬丸岳「刑事の怒り」

薬丸岳の夏目刑事シリーズ作品「刑事の怒り」読了。夏目シリーズを読むのは「刑事のまなざし」に次いで2作目。夏目刑事は、犯罪で意識不明の重体になった娘さんを、奥さんと二人で必死に育てている優しい人で、かつ犯罪に対する鋭い嗅覚を持つ名刑事。「刑事…

映画「グリーンブック」

アメリカのアカデミー作品賞を受賞した作品、「グリーンブック」をTOHOシネマ新宿にて24日の日曜日に鑑賞。アカデミー賞作品としては久方ぶりの傑作。実話に基づく話ということですが、1960年代のアメリカ南部における黒人差別を痛烈に描く興味ある作品でし…

映画「マダムのおかしな晩餐会」、「おかえり、ブルゴーニュへ」

22日の土曜日、ギンレイホールにてフランス映画二題鑑賞。 「マダムのおかしな晩餐会」は、フランス上流階級家庭の夫婦と、そこで働く家政婦の織り成す恋愛模様を描いたコメディ。家政婦のマリア役を演じる女優さんの何とも風変わりなお顔とユーモアあふれる…

塩田武士「罪の声」

塩田武士「罪の声」読了。塩田作品は初めてで、2016年の週間文書ミステリー小説第一位になったことを知ったので、外れはないだろうと思い読み始める。 内容は、日本で最初の劇場型犯罪と言われたグリコ森永事件を題材に、その犯人像を想定して、事件推移はほ…