2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

中山七里「特殊清掃人」

多作で知られる中山先生が、今度は新たなシリーズになりそうな「特殊清掃人」をお書きになり、第一作として4編の連作短編が展開される。 特殊清掃人とは、孤独死などして長期間発見されず、遺体が腐敗してしまい、住んでいた部屋が汚染されてしまい、それを…

東野圭吾「沈黙のパレード」

湯川博士のガリレオシリーズの長編「沈黙のパレード」を読了。映画で見ていましたが、ほとんどストーリーも覚えておらず、東野先生らしい読みやすさと、最後の一ひねりに納得。 都下の菊野市という架空の街が舞台。たまたま湯川の研究施設があり、事件と向き…

映画「枯れ葉」

フィンランド映画界で巨匠と呼ばれるアキ・カウリスマキ監督が5年ぶりに撮った作品とのことで、大変口コミの評判が良いので、新宿シネマカリテにて「枯れ葉」鑑賞。 同監督は小津安二郎作品の信奉者とのことで、小津作品の特徴がみられると思っていましたが…

東野圭吾「透明な螺旋」

東野作品を読むのは久しぶりで、ブログを見ると2021年4月の「11文字の殺人」以来でした。その間にもたくさん書いているのに、東野さんには大変失礼と謝りたい心境です。 今回読んだのが「透明な螺旋」という作品ですが、相変わらず読みやすく、東野先生の本…

五ノ井里奈「声をあげて」

2020年4月、自衛隊に入隊した女性、五ノ井里奈さんが、6月までの前期教育を終えて配属された郡山駐屯地で受けたセクハラを“声をあげて”訴えた経緯を綴ったノンフィクション「声をあげて」読了。 自衛隊という男社会、階級社会では、一般企業のようなセクハラ…

小野寺史宜「ライフ」

小野寺作品を4作読んで、彼の作風がわかってきましたが、本作「ライフ」もまた典型的な小野寺調の作品。 井川幹太さんは、江戸川区の荒川沿いのアパート、筧ハイツ102号室の住人。総武線白井駅が最寄り駅ながら駅までは若干徒歩で時間がかかる場所で家賃も安…

映画「燃えあがる女性記者たち」

インドはカースト制度が今でも厳然と残る国。モディ首相以来、ヒンズー教至上主義が強くなっているのは、世俗主義中心だったトルコが、エルドアン大統領がイスラム教重視になっているのと同じように、何か似ている。そんなインドのカースト社会でも底辺とい…

浅田次郎「母の待つ里」

浅田先生の作品も久しぶりで、本作「母の待つ里」は昨年2022年に単行本としてはこうされた最新作。 世界有数のカード会社が日本で試験的に実施している「ホームタウンサービス」は、35万円の年会費を払っているプレミアム会員向けの、ふるさとの擬似母親との…

映画「熊はいない」

イランの反骨の映画作家、ジャファル・パナヒ監督の不思議な映画「熊はいない」を下高井戸シネマにて鑑賞。パナヒ監督は、イランの反体制的な作品を作ることから政府ににらまれ、有罪判決を受け、映画製作を禁じられている身。それでも反骨精神で撮り続けて…

白石一文「彼が通る不思議なコースを私も」

白石さんの作品のタイトルは結構長く、内容を予感させるものがあります。本作「彼が通る不思議なコースを私も」もその一つ。 本作の主人公は澤村霧子さんと椿林太郎さん。二人は霧子の女性友だちの恋人が、ビルの屋上から自殺を図る場面で初めて出会い、一週…

小野寺史宜「夜の側に立つ」

小野寺作品四作目は、ちょっとナイーブっぽい男性の約20年間を追った「夜の側に立つ」。 タイトルと内容の関係がいまいちわかりにくいのですが、生真面目な高校生が40歳の中年までに通ってきた人生のトピックを、順不同で並べて描いている変わった作品。 野…

年末の東北温泉旅行

大人の休日倶楽部を利用した東北温泉旅行を12月3日(日)~6日(水)に妻と一緒に行ってきました。私の体調がすぐれず、最後まで不安があったのですが、何とか回復し挙行出来ました。 初日は東京発9:08発のゆっくりした出発。秋田新幹線の大曲経由で湯沢へ…

年末の東北温泉旅行

大人の休日倶楽部を利用した東北温泉旅行を12月3日(日)~6日(水)に妻と一緒に行ってきました。私の体調がすぐれず、最後まで不安があったのですが、何とか回復し挙行出来ました。 初日は東京発9:08発のゆっくりした出発。秋田新幹線の大曲経由で湯沢へ…