2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

深水黎一郎「人間の尊厳と八〇〇メートル」

深水 黎一郎「人間の尊厳と八〇〇メートル」読了。6年前に日本推理作家協会賞短編部門受賞の表題作を含めた5編の短編集。深水黎一郎氏は初めて聞く名前で、もちろん読むのも初めて。 ミステリーの範疇も相当広くなっているのを感じますが、特にこの作品は…

薬丸岳「刑事の怒り」

薬丸岳の夏目刑事シリーズ作品「刑事の怒り」読了。夏目シリーズを読むのは「刑事のまなざし」に次いで2作目。夏目刑事は、犯罪で意識不明の重体になった娘さんを、奥さんと二人で必死に育てている優しい人で、かつ犯罪に対する鋭い嗅覚を持つ名刑事。「刑事…

映画「グリーンブック」

アメリカのアカデミー作品賞を受賞した作品、「グリーンブック」をTOHOシネマ新宿にて24日の日曜日に鑑賞。アカデミー賞作品としては久方ぶりの傑作。実話に基づく話ということですが、1960年代のアメリカ南部における黒人差別を痛烈に描く興味ある作品でし…

映画「マダムのおかしな晩餐会」、「おかえり、ブルゴーニュへ」

22日の土曜日、ギンレイホールにてフランス映画二題鑑賞。 「マダムのおかしな晩餐会」は、フランス上流階級家庭の夫婦と、そこで働く家政婦の織り成す恋愛模様を描いたコメディ。家政婦のマリア役を演じる女優さんの何とも風変わりなお顔とユーモアあふれる…

塩田武士「罪の声」

塩田武士「罪の声」読了。塩田作品は初めてで、2016年の週間文書ミステリー小説第一位になったことを知ったので、外れはないだろうと思い読み始める。 内容は、日本で最初の劇場型犯罪と言われたグリコ森永事件を題材に、その犯人像を想定して、事件推移はほ…

富士五湖方面旅行記

16・17の土日に妻と富士五湖方面に一泊旅行。会社が所属する健保の保養所が河口湖畔にあり、低料金でかつ新宿からバスでも近いので低廉かつ便利な旅行。 まだ季節的には寒い時期で富士山五合目まではバスが行っておらず、観光場所としては忍野八海と富岳風穴…

長岡弘樹「教場」

長岡弘樹作品「教場」読了。長岡作品を初めて読んだのですが、なかなか味のある作品でありました。 舞台は警察学校で、新たに警察官として採用された人の新人研修での出来事をつづります。なるほど、警察官の研修というものはこういうものかと教えてくれる内…

米沢穂信「真実の10メートル手前」

米沢穂信のおなじみ、大刀洗万智を主人公とした短編小説集「真実の10メートル手前」読了。 短篇小説はどうしても記憶に残りにくく、最後の作品を読み上げて、最初の作品を思い返してもストーリーがよく思い出せない今日この頃。家族からも言われるのですが、…

映画「菊とギロチン」、「ギルティ」

3月9日(土)、飯田橋ギンレイホールにて日本映画「菊とギロチン」鑑賞。時は第一次世界大戦終了後の大正時代で関東大震災直後。大正デモクラシーが次第に影薄くなっていく時代背景。平等社会を目指すアナキストと女相撲の興業一座を絡めた政治色の強い映画…

伊藤詩織「black box」

逮捕状が裁判所から発行されながら、突然逮捕執行を免れたセクハラ犯、および警察捜査に対する批判を込めた被害者、伊藤詩織さん著作作品「black box」読了。この事件は、安倍首相と懇意で、安倍礼賛の本まで出版した元TBSワシントン支局長が、伊藤さんの…

悲しい雨

前にいた会社で大変お世話になった方ががんで亡くなり、3月3日、4日に通夜、告別式が行われました。今日的には60台半ばでまだまだこれからという時に病魔が襲い、帰らぬ人になってしまいました。誠に残念というほか言葉がありません。美人薄命と言いますが…

映画「バジュランギおじさんと小さな迷子」

インド映画「バジュランギおじさんと小さな迷子」を3月3日(日)、新宿のシネマカリテにて鑑賞。 インドは世界一の映画製作国で、相当数が作られているのでしょうが、日本で公開されるのは数本。したがって駄作はまずないのが現実。この映画もその例にもれ…