2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

馳星周「美ら海、血の海」

馳星周氏は、「不夜城」など、いわゆる闇社会の物語が多いと思っていましたが、直木賞受賞作の「少年と犬」などのヒューマンもあり、多彩な分野の作品を積み重ねています。本作「美ら海、血の海」は、沖縄戦を言う戦争を描いた作品で、これもまた読ませる良…

原田ひ香「東京ロンダリング」

原田マハさんの作品は何冊か読んでいましたが、原田ひ香さんの作品は初めて。なかなか面白かったことを冒頭に記しますが、本作「東京ロンダリング」の意味は何だろうと思っていましたが、マネーロンダリングが汚れたお金をきれいにするのに対して、東京の不…

歌野晶午「D坂の殺人事件、まことに恐ろしきは」

歌野晶午作品は「葉桜の季節に君を想うということ」以来となり、暫くご無沙汰しました。 本作「D坂の殺人事件、まことに恐ろしきは」は、表題作を含む7編の短編が収められ、いずれも江戸川乱歩の有名な小説をベースにしたパクリ的な一面を見せるものの、歌野…

2024年1月東北旅行記

恒例の冬の大人の休日倶楽部パスを利用した東北・伊豆旅行を計画しましたが、今回は思わぬ事態に遭遇。残念ながら伊豆旅行は露と消え、3泊目も東北となりました。 1月21日(日)8:48分東京発のやまびこ号で新花巻乗換、一路釜石の宝来館さんへ。今冬一番の寒…

小川洋子「ことり」

幼稚園の小鳥小屋の掃除等の面倒を毎日見てくれることから、「小鳥の小父さん」と呼ばれる男性の、まじめな人生を描いた小川洋子さんの作品「ことり」読了。 主人公である小鳥の小父さんにはお兄さんがいて、そのお兄さんは子供の頃から何故か人間の言葉を話…

宮内悠介「ラウリ・クースクを探して」

宮内さんの作品は初めてで、本作「ラウリ・クースクを探して」は直木賞候補作にもなった作品。既に直木賞ノミネートは「盤上の夜」、「ヨハネスブルグの天使たち」、「あとは野となれ大和撫子」を含めて4回、更に芥川賞にも「カブールの園」、「ディレイ・エ…

中山七里「祝祭のハングマン」

新年最初の読了作品は、中山先生の「祝祭のハングマン」。ハングマンとは、“私刑執行人”という意味で、法律上の罰を下せない犯人に対して、私刑を執行するお話。 春原瑠衣は警視庁刑事一課の女性刑事。父親との二人暮らしだが、父親が勤務するゼネコンんで。…