木内一裕「ドッグレース」

「小麦の法廷」に続く木内一裕作品「ドッグレース」読了。

小麦の法廷に比べると、静に対してこちらは動のアクションスリラー。矢能政男は元やくざで今は私立探偵。やくざ時代は大組織の幹部級まで言ったきれる男。そんな矢能に女性弁護士から児嶋という薬の売人が殺人で起訴されたが、冤罪なので調べてほしいとの依頼が来る。かなりリスキーな仕事ではあったが、自分にあっている仕事と思い、成功報酬目当てに受けることに。大本の依頼主はクラブのオーナーで、話を聞くと確かなアリバイはあるが、それを証言できない理由があるので、他の証拠を見つけてほしいとのことで、その証拠というのが、河村という保釈中の男。その男は保釈中に逃亡中で、彼を探せば成功報酬一千万円を手に入れることができる仕事。矢能は旧知の仲間たちを使いながら捜索を始めるが、やくざや警察の邪魔が入り、リスクが襲い掛かってくる。しかしそれを乗り越えて、河村を探し出し、己の保身ばかりを優先して邪魔する刑事を殺してまで、仕事を成し遂げるというお話。矢能は、栞という小学生と二人暮らしながら、血のつながりはない子供。その辺の事情が語られていないのでわからないが、私はてっきり栞ちゃんが悪玉どもに誘拐されて取引道具になるかと思っていましたが、それはなく、淡々と進行しました。

読む価値があったか微妙な作品でありました。

今日はこの辺で。