2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

阿津川辰海「録音された誘拐」

阿津川辰海氏作品に接するのは初めてで、本作「録音された誘拐」は、昨年の「このミス」の3位になったとのことで、本格推理427ページを超特急で読み進めました。 阿津川辰海作品の中では、大野糺・山口美々香・望月公彦の大野探偵事務所が、難事件に挑むシリ…

秋吉理香子「絶対正義」

最近よく耳にし、私自身も知ったかぶりをして「法の支配」という言葉をよく使う。しかし、実際には法は絶対ではない。「悪法も法なり」と言われるように、法や規則を絶対視すべきではないことは習慣上知ってはいる。しかし、現にある法を振りかざされると、…

秋吉理香子「哀愁しんでれら」

秋吉さんが映画「哀愁しんでれら」を基に書下ろした同名の「哀愁しんでれら」を、冬季温泉旅行に携行し読了。映画は土屋太鳳と田中圭の主演で作られましたが、未鑑賞。映画を小説に焼き直すという珍しい手法でできた作品。 主人公の咲良は児童福祉士として虐…

鮫島浩「朝日新聞政治部」

現在はネットメディアで活躍する元朝日新聞記者、鮫島浩氏が自分の朝日新聞記者時代の経験を生々しく綴った「朝日新聞政治部」読了。書名は「政治部」となっているが、政治部に限らず、朝日新聞の経営や、主張のスタンス自体の変化を知るうえで非常に参考に…

真冬の温泉旅行

1月は毎年恒例の大人の休日倶楽部パスを利用した「真冬の温泉旅行」挙行。最大級の寒気が迫る直前の1月20日~23日の三泊四日の旅。真冬なので日本海側や岩手以北は敬遠し、宮城の松島温泉、ずっと下って伊豆半島下田の須崎海岸、そしてしめは信州上田の別所…

秋吉理香子「聖母」

秋吉理香子氏の代表作の一つである「聖母」読了。 作品タイトルの聖母でもある保奈美さんは、どうしても子供が欲しいが、初潮以降生理不順に悩み、子供を産むことが難しいとの診断。それでも諦めきれず、不妊治療に励み43歳で人工授精により子供を授かる。読…

秋吉理香子「暗黒女子」

秋吉理香子さんのミステリー「暗黒女子」読了。2017年に映画化もされ、秋吉さんの名前もかなり知れ渡ったようですが、私は全く映画について気づかず、予備知識なく読みました。 主人公は白石いつみさんとするべきか、それとも澄川小百合さんか、女子高校生全…

秋吉理香子「サイレンス」

秋吉理香子さんの作品は初めて。お名前も全く知りませんでしたが、ミステリー界では、女性作家として活躍中のようで、まず手始めに「サイレンス」を読了。 主人公の深雪さんは、新潟県沖の架空の島、雪之島に生まれ、小さいころから美少女と謳われ、本人も小…

永井みみ「ミシンと金魚」

現役のケアマネージャーで、自分の介護経験も踏まえて書いた永井みみさんの「ミシンと金魚」読了。本作ですばる文学賞を受賞し、絶賛された作品。忙しいケアマネージャーの仕事をしながら、著作を書くことは大変でしょうが、こうしたいい作品を書かれたのも…

伊兼源太郎「事件持ち」

警察、検察小説に定評のある伊兼源太郎氏の「事件持ち」読了。本作における「事件持ち」とは、大事件にあう確率が高い新聞記者と刑事のこと。 主人公は新聞記者2年目の永尾哲平と、中堅刑事の津崎庸介。永尾は2年目ながらいまだに警察周り担当で、独材=特…

安生正「不屈の達磨」

安生正氏は京都大学大学院工学系卒で、現役の建設会社社員とのこと。既に60歳を超えているので第一線は退いているのでしょうが、2012年の「このミス」大賞を受賞した「生存者ゼロ」執筆当時は、まだまだバリバリの現役だったと想像されます。次回は「生存者…

中山七里「隣はシリアルキラー」

久しぶりの中山七里作品「隣はシリアルキラー」読了。 主人公の神足友哉はメッキ工場に勤務する青年で、会社の寮に暮らしているが、隣の部屋の中国人技能実習生が、深夜に浴室を使っていることから、その音で寝不足が続く。その音とは単にシャワーを浴びる音…

道尾秀介{カエルの小指」

道尾秀介氏の詐欺を題材にした「カラスの親指」がシリーズの第一作なのですが、本当はカラスを先に読めばよかったのですが、順序が逆になり「カエルの小指」が最初になってしまいました。順番通り読んでおけばよかったとは思うのですが、本作もそこそこの面…