2019-01-01から1年間の記事一覧

映画「家族を想うとき」「Girlガール」「アマンダと僕」

先週末、映画三題鑑賞。 イギリス映画「家族を想うとき」は、ケン・ローチ監督が現代の新自由主義による格差社会を批判を込めて描く家族映画。 かつて建設労働者として働いていた主人公の夫が失業後職を転々とし、見つけた仕事が宅配業。自分で車を調達して…

今村核「冤罪と裁判」

冤罪事件に深くかかわってきた弁護士の今村核氏著「冤罪と裁判」読了。本書では、冤罪が作られる仕組みや、冤罪を晴らすことの困難さ、そして裁判員制度にも触れ、冤罪について幅広く検討した著作。 冤罪の作られる仕組みは、周知のように警察・検察の捜査側…

原田國男「裁判の非情と人情」

裁判官時代に高裁で20件以上の逆転無罪判決を言い渡した原田國男氏のエッセー「裁判の非情と人情」読了。 検察の起訴した刑事事件の99.9%が有罪となる現実、そして地裁が有罪と判断した事件に関して、逆転無罪判決を下すことが如何に現在の裁判所で難しいか…

東野圭吾「素敵な日本人」

東野圭吾が2011年~2016年にかけて小説宝石などに発表した9編を掲載した短編集「素敵な日本人」読了。「素敵な日本人」という題の作品は出ておらず、どうしてこういう表題にしたかは不明。9作品共通としては、確かに日本人しか出てこないのは確か。ただ「素…

師走の東北・信州温泉旅行

大人の休日倶楽部を利用した東北・信州温泉旅行に12月5日(木)~8日(日)にかけて妻と行ってまいりました。 初日は東京駅8:40発のはやぶさ号で新青森経由弘前へ。弘前はあいにくの雪模様。弘前城址公園の散策が目的なので、雪にも負けずバスで公園へ。まず…

池井戸潤「果つる底なき」

池井戸潤の初期作品で江戸川乱歩賞受賞作「果つる底なき」を再読。かなり前に読んだ作品で、ほとんど初読に近い状態で、改めて楽しんで読むことができました。 焦げ付き債権を調査していた銀行員が死亡し、その死に疑問を持った同僚の銀行員が真相に迫ってい…

栗原俊雄「特攻-戦争と日本人」

特攻関係書籍の第二弾は、栗原俊雄氏著「特攻-戦争と日本人」。栗原氏は毎日新聞記者で、太平洋戦争関係の書籍を何冊か書いている方。本書は、海軍・陸軍の戦闘機による特攻や人間魚雷「回天」や特攻専用航空機「桜花」、更には戦艦大和以下の艦隊特攻の由…

河合香織「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子」

非常に重いテーマを扱った河合香織著「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子」読了。身ごもった子に障害があるか否かを診断する出生前診断。医療科学・技術の進歩により、ダウン症の子が生まれることをほぼ100%的中させる出生前診断が可能となり…

官僚の悲しき姿

「桜を見る会」が大問題になってこの方、国会でも質疑がありますが、野党追及本部のヒアリングもほぼ毎日開かれています。国会の委員会では各省の局長、審議官クラスが答弁し、ヒアリングでは課長、参事官クラスが答弁しています。モリカケ問題でもそうでし…

映画「COLD WAR あの歌、2つの心」

ギンレイホールにてポーランド映画「COLD WAR あの歌、2つの心」鑑賞。まず第一の印象はモノクロ画面の美しさ。映画の深みを感じる映像でした。そして第2は、ポーランド映画の伝統?か否かはわかりませんが、アンジェイ・ワイダを髣髴させるような、なんと…

映画「長いお別れ」「洗骨」

ブログに書くことを忘れていた作品を2週間遅れで記載。 日本映画「長いお別れ」は、直木賞作家、中島京子さんの作品の映画化。 認知症の父親を囲む奥さん、娘さんふたりの生活を淡々と描いた作品。父親役は山崎努で、いまだに存在感抜群。奥さん役を松原千…

映画「ワイルド・ライフ」

11月30日(土)、ギンレイホールにてアメリカ映画「ワイルド・ライフ」鑑賞。 日本でも3組に1組のカップルが離婚し、毎年20万人のひとり親家庭が生まれており、そのほとんどが母親に引き取られているとの新聞記事あり。記事では、離婚時に取り決めた養育…

鴻上尚史「不死身の特攻兵-軍神はなぜ上官に反抗したか-」

黒田福美さんが太平洋戦争において朝鮮人特攻兵として亡くなり、その彼の慰霊碑を祖国の韓国に建てること決意し、その活動を描いた「夢のあとさき」を読み、特攻とは何だったのかについて理解するために手に取ったのが鴻上氏の著書「「不死身の特攻兵」。 と…

黒田福美「夢のあとさき-帰郷祈願碑とわたし-」

韓国通で知られる女優の黒田福美さん著「夢のあとさき-帰郷祈願碑とわたし-」読了。黒田さんとは、たまたまFacebookのお友達になっていて、メールで投稿のお知らせがあり開いてみると、何とあの杉田水脈議員とNETで対話しているのを見たから。かねて韓国通…

映画「夕陽のあと」

11月24日(日)は、新宿のシネマカリテにて日本映画「夕陽のあと」鑑賞。 鹿児島県北西の海に浮かぶ島の町、長島町を舞台に、里親として8年間里子を育てた夫婦の前に、産んだばかりの子供を、相手の男のDVと貧困で捨てざるを得なかった生みに母が現れ、二…

「桜を見る会」改め「芸能人を見る会」

総理主催の「桜を見る会」の実態が暴かれ、来年は中止と相成りました。 ユーチューブで会の様子が撮影されており、それを拝見したのですが、あんな会に行って面白いのか?と思うのは私だけでしょうか。功績・功労があった方普通はそのお顔もなかなかメディア…

佐野眞一「別海から来た女」

ノンフィクション作家の佐野眞一氏著「別海から来た女」読了。「別海」とは、平成20年ごろに大きな話題となった中高年男性から大金をだまし取り、揚句は3名の男性を殺害したという「首都圏連続不審死事件」の犯人として死刑判決(2017年最高裁で確定)を受…

宮部みゆき「刑事の子」

宮部みゆきさんがバブル絶頂期の1990年ごろに書いた作品「刑事の子」読了。ただし、当時の題名は「東京殺人暮色」、更に1994年にも「東京下町(ウォーターフトント)殺人暮色」に改題され、2011年再び「刑事の子」として世に出た作品。内容は全く同じとのこ…

「桜を見る会」の醜聞

12月8日の衆議院予算委員で共産党の田村智子議員が、首相主催の新宿御苑での「桜を見る会」について鋭い質問をしました。これに対して、安倍総理以下、羽生田門下大臣、内閣官房の官房長はたじたじの答弁。久しぶりの痛快な質疑を国会中継録画で見させていた…

諸田玲子「氷葬」

初めて読む作家、諸田玲子さんの「氷葬」読了。恥ずかしながら、作家名も知らなかったのですが、時代小説ではかなり有名な方のようで、たくさんの作品があります。 今回はたまたま図書館で出にとった「氷葬」を読んだのですが、時代劇ミステリーとしての趣が…

映画「国家が破産するとき」

11月9日(土)、シネマート新宿にて韓国映画「国家が破産するとき」観賞。 1997年の韓国通貨危機をもとに、かなりのフィクションを盛り込んだ興味ある作品。 民主化してまだ10年もたっていない当時の韓国ですが、表面上は経済成長著しく、OECD加盟を果た…

宮部みゆき「地下街の雨」

久しぶりに読む宮部みゆき作品。「地下街の雨」表題作ほか全7編の短編集。宮部さんの作品は超長編が多くなかなか手に取らなかったのですが、文庫本があったので図書館で借りて読んだ次第。さすがに短篇でもいい味の作品があります。 最も印象に残ったのが「…

間川清「裁判官・非常識な判決48選」

弁護士である間川清氏著「裁判官・非常識な判決48選」読了。これを読むきっかけは、自分の娘を性的虐待していた愛知県の事件で、なんと無罪判決が出て、これを契機にした女性虐待に関するシンポジウムに参加した時に知った「青い鳥裁判」を知ったこと。娘…

映画「芳華」「僕たちは希望という名の列車に乗った」

本日はギンレイホールにて映画二題鑑賞。 中国映画「芳華ーYouth」は、文革後期から中越戦争、そして改革開放がなった1990年代までの中国を舞台に、軍の歌劇団に入団した主人公の女性を中心に、男女の団員たちの半生を描くドラマ。 主人公のシャオピンは、農…

東野圭吾「探偵倶楽部」

久しぶりに東野作品に図書館に目が行き、まだ読んでいないなあと思われる作品を物色。最近はボケが進んで、よっぽど印象に残らなければすぐにストーリーを忘れてしまったり、読んだこと自体も忘れがち。そんな中見つけたのが「探偵倶楽部」という作品。20…

郷原信郎「青年市長は”司法の闇”と闘った」

弁護士の郷原信郎氏著で、全国最年少市長であった美濃加茂市長、藤井浩人氏の収あい事件裁判を追った「青年市長は”司法の闇”と闘った」を読了。 現金での贈収賄事件は確かに、物証が残らず、特に当事者だけでやり取りがあった場合は、証言だけが決め手となる…

映画「ホームステイ ボクとぼくの100日間」

タイ映画「ホームステイ ボクとぼくの100日間」を武蔵野館で鑑賞。タイ映画は本来あまり日本に公開されていませんが、公開される作品はそれだけ選りすぐりの傑作が多いことは確か。特に「バッド・ジーニアス」は、その緊張感と発想から素晴らしい作品であり…

映画「ホテル・ムンバイ」

2008年にインド最大の都市、ムンバイで起きた同時多発テロを題材にした映画「ホテル・ムンバイ」をTOHOシネマシャンテにて鑑賞。 まだ未成年と思われるイスラム過激派少年たち約10名がボートで港に到着し、数人ずつに分かれて機関銃を持って駅や外国人の宿泊…

池井戸潤「ノーサイド・ゲーム」

池井戸潤の最新作「ノーサイド・ゲーム」をワールドカップ日本大会開催中に読了。池井戸潤は銀行員出身とあって、当初は銀行ものが多く、半沢直樹ものはその典型。その後、主に中小企業と銀行を絡ませたような物語が多くなり、最近はスポーツと企業とスポー…

河口湖温泉旅行

10月18日~19日にかけて、河口湖温泉旅行に妻と行ってまいりました。今回の旅行、最大の目的は富士山五合目まで行くことでしたが、生憎の雨模様で富士山近辺は雲の中。いっても何も見えない状態だったので取りやめ。なおかつ、台風19号の被害を受けた中央高…