2021-01-01から1年間の記事一覧
大学入学と言っても、四大や短大に入学した訳でも、社会人大学に入学した訳でもなく、地元杉並区で開講している「すぎなみ大学」での全5回の講義へ参加したもの。 ただ聴講するだけと思いきや、「自由研究」と名がつく通り、自らテーマ選定して最後に研究成…
原田マハさんの短編6集を収めた「常設展示室」読了。6篇の共通点は、原田さんらしく、有名な絵画が物語の中に現れてくること。そして、一編を除き、40代女性が主人公であること。絵画に関する話題が満載でもあります。 「群青」は、NYメトロポリタン美…
前川喜平さんの「面従腹背」に続く第2弾の著作「権力は腐敗する」読了。 前川さんとは、「子供たちをよろしく」という映画の上映がユーロスペースであった時、上映後の壇上での座談会を観客として聴き、その後喫茶スペースでお茶を飲みながら何人かで話をし…
またまた最近韓国ドラマのドツボにはまっています。今年6月に「ロースクール」「ライブ」まではブログに書いたのですが、その後若干遠ざかり、最近また病みつき状態。何作かを観たのですが、直近で観たのが「ジャスティス」と「被告人」。いずれも犯罪もので…
ずいぶん遅くなったが、大人の休日倶楽部パスを利用して11月26日(金)~29日(月)にかけて行ってきた妻同行の東北旅行記を記す。 11月26日(金)東京駅寄り新幹線乗車し一ノ関到着。一関城跡や一関の旧市街を散策。その後バスで厳美峡観光を行ったのですが…
一昨年の直木賞受賞作、大島真寿美著「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」読了。 江戸時代、大阪の浄瑠璃作家、近松半二の浄瑠璃作家としての生涯を描いた作品。近松半二は実在の人物で、大阪の儒者であった穂積以貫の次男として生まれ、浄瑠璃小屋の竹本座と関係が…
11月9日に100歳の母が逝去、そしてまた今日、兄(次男)が74歳の生涯を閉じました。自分自身が65歳の年齢であり、親族も当然に高齢者で、死は驚くことではないが、1カ月の間隔で二人が亡くなると、寂寥感もひときわである。 母は死んだ兄と同居し、最後の3年…
森友事件での公文書改竄で自死した赤木俊夫さんの妻雅子さんが、事件の真相を知るために国と当時の理財局長を相手どり、損害賠償を求めている裁判で、12月15日に国は突如、賠償金を全額支払うことを明らかにし、裁判が終わることになった。賠償請求金額は1億…
私も朝日新聞を購読している一人で、ついこの間まで連載されていた「未完の最長政権」という連載をまとめた作品が本書。 第二次安倍政権の7年8カ月という歴代最長政権の功罪、どちらかというと朝日新聞らしく「罪」を強調する論調。何ゆえに安倍晋三という…
原田マハさんは、須田に直木賞ノミネート4回で、本作「暗幕のゲルニカ」も2016年の第155回の候補になっているものの、未だに受賞はならず。最初の候補作「楽園らくえんのカンヴァス」が最も選考委員方はこう評価を得ていた感があるが、いずれにせよ、直木賞…
80歳の元女性判事の静おばあちゃんが、名古屋の名物財界人、玄太郎さんと5件の事件解決をしていく中山七里先生の短編連作「静おばあちゃんと要介護探偵」読了。主に活躍するのは車いす生活ながら、怖いもの知らずで、かつ鋭い推理力を持つ玄太郎。静おば…
原田マハさんの作品は、映画化された「キネマの神様」はじめ、圧倒的な人気を誇り、amazonのレビュー数も、作品によっては1,000件以上の作品もあります。直木賞にも4回候補となっていて、未だ受賞に至っていません。受賞しても何ら不思議がありませんが、審…
2021.11.14(日)、ギンレイホールにて映画二題鑑賞。 アメリカ映画「Mr.ノーバディ」は、かつて秘密機関の特務員であったものの、今は普通の家庭人となっているよき父親が、ある夜に強盗が家に入ったおり、何も反撃せずに逃がしてしまったことから、奥さ…
新宿武蔵野館にて2021.11.08(月)、香港映画「花椒の味」鑑賞。香港で火鍋料理店を経営していた父親が急死し、異母姉妹3人が集まって、その店のお客さんから愛された火鍋の秘伝の味付けを取り戻す過程を通して、三姉妹の父親への思慕と、それぞれの人間関…
「天使のナイフ」以来、社会派推理小説作家として問題作を発表し続けている薬丸岳氏。骨太作品が多いなか、今回読了したのが、中学校を舞台にしたサスペンス作品「ガーディアン」。 半年前に公立中学に赴任してきた英語教師の秋葉を主人公に、荒れていた学校…
2021.11.09(火)、100歳の母が亡くなりました。前日実家の兄から、施設に入居している母が、食事もできなくなり、施設で最後のお別れをするように連絡があり、当日田舎に帰省し母と面会。すでに目も空けられない状態だったが、耳元で呼びかけると反応が…
社会派小説を得意とする真山仁氏は、「ハゲタカ」を読んで以来、手付かずでしたが、久しぶりに手に取ったのが、東日本大震災を新聞記者として取材した主人公を描いた「雨に泣いている」。真山さんについては、朝日新聞にも現在の日本社会の社会的矛盾につい…
2021.10.27(金)ギンレイホールにて日本映画2題鑑賞。 「犬部」は、青森の獣医学大学で、犬猫を一匹も殺したくないという信念をもって、サークルの「犬部」を作って、飼い主を募る活動をした主人公とその仲間たちが、十数年後に獣医師や保健所の職員、研究…
奥田英朗の600Pのサスペンス巨編、「罪の轍」読了。はじめの方を読んでいて、読んだことがあるとの既視感があり、自分のブログを見たのですが、書評がなく、長編過ぎて途中で読むのを止めたのではないかと思い、今回は辛抱強く最後まで読みました。 時は…
2021.10.22(金)~23(土)、一泊二日の山陰島根旅行に行ってきました。本州で未だ一度も行ったことがなかった唯一の県が島根県。妻に出雲大社へについて問いかけると、すぐに行きたいとの反応があり、早割の航空券と旅行会社のクーポンを利用できる宿泊先を探…
2021.10.19(火)、久しぶりに吉祥寺の街を訪れました。ウィークデーの日中ながら、アーケード街には結構たくさんの人出で、コロナから解放された雰囲気が漂いました。 アーケード街を通り抜けた先にある吉祥寺プラザで、アメリカ映画「MINAMATA」鑑…
浦和医科大学法医学部の光崎教授、助手のアメリカ人女性キャシー、女性助教の真琴、そして埼玉県警捜査一課の古手川刑事が活躍するヒポクラテスシリーズの最新作「ヒポクラテスの悔恨」読了。遺体解剖にあっては、神の手を持つと言われる光崎教授が、法医学…
2021.10.17(日)、ギンレイホールにて映画二題鑑賞。1週間前は一席空ける座席設定でしたが、やっとすべての座席が開放。日曜日のせいか、席はかなり埋まっていました。緊急事態宣言が解除され、あれだけデルタ株の感染力が強い強いと言っていたのが嘘のよう…
浅田次郎の最新単行本「流人道中記 上・下」読了。浅田先生は、2011年~2017年、日本ペンクラブの会長を勤めていましたが、その後吉岡忍さんが勤め、今年から桐野夏生さんが会長。ペンクラブ会長時代はずっと安倍政権で、忸怩たる思いがあったのではないかと…
スケールの大きなミステリー作品が多い米澤穂信氏が、過疎による地方の衰退と、それを止めようとする市長や役人の努力を描いた「Iの悲劇」読了。本格ミステリーと思いきや、過疎と限界集落を描いた社会小説。地方のどこの市町村もが抱える大きな問題、それ…
今年の9月から10月初めにかけて、憲法判断に関わる裁判判決が何件か出された。裁判官が違憲判断することに躊躇せずに、真剣に取り組んでいく良い傾向ではないかと考える。以下にその判決事例を簡単に記す。 1.9月22日、東京高裁が難民申請を却下された…
2021.10.05(火)ギンレイホールにて映画二題鑑賞。いずれもあかでみーしょうにのみねーとされた評判の映画ということで、若干の期待感をもって鑑賞。 アメリカ映画「ミナリ」は、カリフォルニアからアーカンソーの片田舎に移住した韓国人家族の苦難を淡々と…
警視庁捜査一課の名物刑事、毒島刑事の活躍を描いた中山七里作品、「毒島刑事最後の事件」読了。本書のテーマは殺人教唆。「教授」と言われる影の人間が、自分と同じように妬みのような感情を持つ人を巧みに操り、さも自分が主体的に犯罪を犯すように仕掛け…
先日北海道旅行に行った目的の一つは、桜木紫乃さんの小説に出てくる釧路の街や湿原を見たかった事でした。釧路生まれで、現在も北海道の江別に住んでいるという桜木さんの小説の舞台はほとんどが北海道で、特に多いのが釧路。観光で行った限りでは、街や観…
9月30日(木)新宿ピカデリーにて日本映画「空白」鑑賞。タイトルは空白という軽いイメージながら、ストーリーは極めて重い映画。基本的にこの映画には「悪人」は出てこない。しかし、二人の人間の命が奪われ、一軒のスーパーが亡くなり、何人かの職が奪われ…