2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

青木俊「消された文書」

青木俊作品は、ちょうど1月の旅行時に「潔白」という冤罪事件を描いた作品を読んで以来2作目。青木氏はテレ東の元ジャーナリストで、巻末解説の清水潔氏が書いているように「一度は小説を書きたい」といって書いたのが本作「消された文書」。2016年に…

映画「アワー・フレンド」「1秒先の彼女」

本日2月25日(金)、ギンレイホールにて映画鑑賞。 アメリカ映画「アワー・フレンド」は、英語では「Our Friend」。英語表示で初めて映画の内容が理解できた次第。アワーのカタカナだけでは何のことやら? 二人の娘がいる夫婦がアワーで、フレンド…

プーチンによる、プーチンのための戦争

2月23日、ロシアが電撃的にウクライナ侵攻、早くも制空権を握り、ウクライナの軍事施設や空港へのミサイルや無人兵器攻撃を交えた爆撃で、一般市民を含めた犠牲者が発生している。プーチンが独裁者であり、かつ非民主主義的な指導者であることは周知の事実だ…

裁判における正義と公平とは何か

2022年2月22日、大阪高裁が旧優生保護法で不妊手術を強制された被害者が提訴した国家賠償請求訴訟で、初めて国に賠償を命じる判決を下した。 旧優生保護法は、優性思想に基づき1996年まで実在した法律で、らい予防法と共に、人権侵害を法律が認めてしまった…

伊岡瞬「冷たい檻」

伊岡瞬氏の長編推理小説「冷たい檻」。ここで言う「檻」とは、三つの施設、すなわち老人介護施設、青年更生施設、児童保護施設を言うと解される。 主人公の樋口透吾は、元警察官で、今は政府系調査機関の調査員。17年前に遊園地で3歳の息子を誘拐され、妻…

コロナワクチン接種の是非

オミクロン株の感染拡大で、予想通り日本にも第六波が到来し、コロナワクチンの3回目接種が始まりました。私のところにも接種票が届き、2月19日にかかりつけのクリニックで摂取しました。私の場合は、2回目の接種後若干熱が出て、痛みも数日続いたので…

伊岡瞬「本性」

伊岡瞬作品に熱中している現在、集中的に読んでいるのであるが、4作目に出会ったのが「本性」という作品。次の章がすぐに読みたくなるという作品にはこれまでも出会っているが、本作もそんな一作で、最後の第8賞以外は非常に引き込まれる作品。最後の章で…

伊岡瞬「不審者」

伊岡作品三作目は「不審者」。この作品では不審者が誰かが謎解きポイント。主人公は一人息子を持つ主婦の里佳子で、夫と姑との4人暮らし。そこに、夫が21年前に両親の離婚のために分かれた実兄を家に連れてきて、その実兄が家に住み着くことによって、里佳子…

伊岡瞬「いつか、虹の向こうへ」

「悪寒」に続く伊岡瞬作品「いつか、虹の向こうへ」読了。今私は無職で、一日おきに自宅近くにある杉並区の体育館に通い、約2時間の有酸素運動・ストレッチ・筋肉体操で汗を流し、その後は併設されているカフェで2~3時間の読書、体育館に行かない日は近所…

映画「沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家」

2月8日(火)、ギンレイホールにてフランス映画「沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家」鑑賞。マルセル・マルソーは、フランスの偉大なるパントマイム・アーティスト。別名、パントマイムの神様、沈黙の私人と呼ばれた方。その「沈黙」は、パントマ…

下村敦史「サイレント・マジョリティ 難民調査官」

下村敦史の2017年の書下ろし作品「サイレント・マジョリティ 難民調査官」読了。2017年作品ということで、2021年に発生した名古屋入管施設でのスリランカ女性死亡事件の前ですが、日本における難民受け入れ基準が厳しく、その数が極めて少ない現状を踏まえた…

伊岡瞬「悪寒」

伊岡瞬さんの小説を初めて読むことに。今まで大きな賞はとっていないものの、推理小説界では知られた存在の様で、今回手にしたのが代表作に一つでもある「悪寒」。「悪寒」という書名が何を意味するのかは、読んだ限り判明しませんが、家族に起こった重大事…

下村敦史「法の雨」

下村敦史作品集中読書月間2作目の作品は「法の雨」。冒頭は本作の主人公である高裁検察官の大神護が、“無罪病判事”と呼ばれる嘉瀬判事に、無残にも一審有罪を覆されて無罪の判決を受ける。大神はこれで逆転無罪が4件目で、有罪率99.7%の有罪が当たり前の裁…

下村敦史「刑事の慟哭」

若手推理作家として注目されている下村敦史作品「刑事の慟哭」読了。「テスカトリポカ」を読んだ後だけに、本書のようなカタカナが出てこない、分かり易い勧善懲悪的な作品の読みやすいこと。二日間で楽に読み終わりました。 新宿警察署の田丸刑事は、捜査感…