2019-01-01から1年間の記事一覧

「冤罪 女たちのたたかい」

冤罪にかかわった女性たちを主人公としたノンフィクション「冤罪 女たちのたたかい」読了。 徳島ラジオ商殺人事件の犯人とされた冨士茂子さん、袴田事件の殺人犯とされた袴田巌さんのお姉さんの袴田秀子さん、布川事件の殺人犯とされた桜井昌司さんの奥さん…

冤罪関係著作「尋問の罠」、「冤罪 女たちのたたかい」

冤罪関係の本を読んでいると、日本の司法、裁判制度の醜さが浮き彫りになり、頭に来ます。 「尋問の罠ー足利事件の真実」は、冤罪被害者本人である菅家利和さんと主任弁護士の佐藤博史さんの共著。主には佐藤弁護士が事件の経過や警察、検察、裁判官のだらし…

映画「ボヘミアン・ラブソディ」

昨年以来大きな話題となった映画「ボヘミアン・ラブソディ」を下高井戸シネマにて観賞。 はっきり言ってクイーンというロックバンドの知識も曲も全くない音楽音痴人間の私。この映画のレヴューが4.5以上の理由を探るべく勇んで観賞。 映画を見て初めて、主人…

映画「ヴィクトリア女王最後の秘密」「女王陛下のお気に入り」

イギリスの歴代女王を主人公にした2本の映画をギンレイホールにて先週末観賞。 「ヴィクトリア女王最後に秘密」は、イギリス帝国主義が最も栄えたといわれるヴィクトリア女王時代、女王がインド人召使を重用した歴史的事実を描いた作品。女王は確かにインド…

日本政治・行政の愚挙

私が入院中に日本政治・行政の愚挙が2件ありました。トランプ的な人気取り、後先考えない政治に怒りを覚えるばかりです。 一つは韓国のホワイト国除外。徴用工問題などへの対抗措置は明確にもかかわらず、後付けで安全保障上の措置と苦しい言い訳。こうして…

入院生活

7月初めに急に片方の耳の難聴と耳鳴りが始まり、自宅近所の耳鼻科クリニックで診断を受け、薬の処方を受けていたのですが、なかなか改善せず、7月30日の夜、突然耳と頭が壊れてしまいそうな耳鳴りが発生したため、翌31日、クリニックの推薦で慶応病院に行き…

植草一秀「知られざる真実~勾留地にて~」、「植草事件の真実」

冤罪被害者植草一秀著「知られざる真実~勾留地にて~」読了。植草事件については昨日もブログに書かせていただきましたが、この著作はご本人が勾留中に書かれた経済、政治、社会に対する深い洞察をと、事件の真実を率直に描写した渾身の一策。二度の事件に…

映画「存在のない子供たち」「凪待ち」

週末の土日は、骨のある映画二題鑑賞。 27日(土)は、新宿武蔵野館にてレバノン映画「存在のない子供たち」鑑賞。レバノン映画は二本目になり、最初に見た「判決、ふたつの希望」も大変優れた作品でしたが、今作もなかなか見ごたえのある作品。「判決、ふた…

映画「工作 黒金星と呼ばれた男」

7月20日(土)、韓国映画「工作 黒金星と呼ばれた男」をシネマート新宿で鑑賞。 1990年代、金大中が大統領になる直前ぐらいの、南北朝鮮が緊張関係にあった時期の韓国側スパイを主人公としたフィクション映画。フィクションとはいうものの、ある種緊張感が漂…

「国家は「有罪」をこうして創る」

副島隆彦、植草一秀、高橋博彦共著の表題ノンフィクション作読了。 公文書を勝手に改ざんするような政権では当然起こりうる犯罪的な冤罪でっち上げ事件、それが当時小泉政権時代に政策批判していた植草一秀氏の痴漢でっち上げ事件です。2004年には手鏡事件が…

短篇ミステリー小説「現場に臨め」

当代一流の推理作家の短編集、日本推理作家協会編「現場に臨め」読了。 15名15編の短編推理が楽しめるもので、いずれ劣らず読み応え十分の作品集。すべての感想を書くとたん変な長編ブログになるので、一遍だけお気に入りを紹介したい。 新津きよみさんの「…

映画「マイ・ブックショップ」「ビール・ストリートの恋人たち」

最近ギンレイホールにかかる映画もいまいちで、どうしようか迷ったのですが、13日の土曜日に表題2作を鑑賞してきました。いずれも地味な作品ながら、心に残るいい作品でした。 イギリス映画「マイ・ブックショップ」は、第二次大戦で夫を亡くした未亡人が、…

映画「バイス」

アメリカの最強の副大統領とももてはやされるディック・チェイニーの半生を追った映画「バイス」を下高井戸シネマにて鑑賞。 子ブッシュが大統領時代の副大統領を務め、その時代を中心に追った、彼の政治力や心情などを、少しパロディ調に描いた作品で、マイ…

映画「アンノウン・ソルジャー」、「さよなら、退屈なレオニー」

武蔵野興業さんは新宿武蔵野館とシネマカリテで映画産業を行い、ほかに商業ビルを持ち不動産業、更には自動車教習所を持つ企業。売り上げは連結で17億円ほどですが、東証二部に上場しています。今の上場基準ではおそらく上場は無理ではないかと思われますが…

池井戸潤「民王」

池井戸潤の「民王」読了。 本日7月7日からTBSテレビの日曜劇場でまたまた池井戸潤作品「ノーサイドゲーム」がドラマ化され放映されます。「池井戸作品は枯れることがない」との新聞のコメントがありましたが、TVドラマ、映画でも引っ張りだこ。「ノーサイ…

映画「新聞記者」

東京新聞の熱血女性記者、望月衣塑子さんの著作を映画化した「新聞記者」が封切られたので、早速鑑賞してきました。モリカケ問題発覚後、政権の隠ぺい工作が顕著になり、これに抵抗する方々がマスコミに登場してきましたが、前川喜平元文科省事務次官と望月…

池井戸潤「BT’63」、「鉄の骨」

池井戸潤「BT’63」と「鉄の骨」読了。 「BT’63」は上下巻800ページ以上の長編作で、躊躇していましたが、その読みやすさとストーリーの面白さに、難なく読み終えた次第。 現代に生きる大間木琢磨と彼の亡き父史郎のW主人公の、過去と未来を巧み…

令和最初の東北・信州旅行

令和になっての初めての大人の休日倶楽部を利用した旅行。今回は山形の肘折温泉、宮城の奥松島、そして信州高山村のわらび温泉を巡る旅で、温泉やおいしい料理を妻と堪能してきました。 初日は曇り空の中、8:30に家を出て山形新幹線で新庄駅に直行。新庄では…

池井戸潤「不祥事」

花咲舞が活躍する第一作「不祥事」再読。もうかなり前に読んだ記憶はありますが、ほとんど覚えていないことをまずは実感。最近の記憶力の低下は甚だしい限り。認知症が近いのか?認知症にならないためにも、できるだけ思い起こして書くことに熱中するように…

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」読了。花咲舞が活躍する同名のテレビドラマの原作は「不祥事」だったのですが、さすがにテレビの影響力はすごく、池井戸さんが読売新聞に連載した同じ花咲舞の活躍する小説のタイトルは「花咲舞は黙ってない」になってしまい…

映画「ハンター・キラー」

イギリス映画「ハンター・キラー」を新宿シネマカリテにて観賞。 この週末は5月としては異例の連続真夏日。特に北海道帯広は観測史上最高の気温をこの五月に記録するという異常気象。7月8月が逆に寒くならなければよいのですが。 東京も暑いですが、新宿に行…

映画「マチルド、翼を広げ」

フランス映画「マチルド、翼を広げ」をギンレイホールにて観賞。ギンレイホールで前週までかかっていたのが、樹木希林が出演していた「日々是好日」だったので超満員でしたが、今回は空席も目立ちました。平均的に日本映画のほうがお客さんは多い感じはしま…

池井戸潤「下町ロット ガウディ計画」「ロスジェネの逆襲」

本の文字が頭に入らないときに、それを解消するために読んで効果があるのが池井戸潤作品。久しぶりに池井戸作品二題読みました。その効果は抜群。あっという間に読了できました。 「下町ロケット ガウディ計画」はご存じ大田区の中小企業でありながら、最先…

辻村深月「家族シアター」

いま最も乗っている女流作家のひとり、辻村深月さんの「家族シアター」読了。お恥ずかしながら、直木賞作家でありながら読むのは「つなぐ」以来2冊目。「かがみの古城」を図書館に予約中ですが、なかなか回ってこない状態。 今回は短編集の「家族シアター」…

中村文則「掏摸」

中村文則「掏摸」読了。純文学と言われる芥川賞作家の作品は、私の頭ではどうしても理解が追い付かず敬遠しがちで、受賞者の作品を読むのは吉田修一作品以来でしょうか(又吉の「火花」も未読)。吉田作品にしても、ほぼほぼ大衆文学的な作品ばかり。 さて、…

裂石温泉旅行記

ゴールデンウィーク中の旅行記を忘れていたので記載。 5月連休中の恒例となっている塩山の裂石温泉。5月2日~3日にかけて行ってきました。この温泉は電車でも気軽に行ける距離にあり、ぷらっと出かけるにはもってこい。しかも秘湯の雰囲気を味わえるのでうれ…

朝井まかて「雲上雲下」

朝井まかて「雲上雲下」読了。今や歴史小説の第一人者となりつつある朝井まかてさんですが、この作品は一風変わった、民話風作品の寄せ集め集といったところでしょうか。 「団子地蔵」は、転がった団子を追いかけた爺さん婆さんが、大きな伽藍堂に迷い込み、…

映画「モリのいる場所」「日々是好日」

本日はギンレイホールにて日本映画二題鑑賞。実は昨日も足を運んだのですが、20分前に到着したにもかかわらず、すでに立ち見とのこと。仕方なくあきらめてウォーキングに切り替え。飯田橋からいつものように桜並木の遊歩道を歩いて四ツ谷へ、そして90度…

裂石温泉旅行

長期連休2回目の温泉旅行は、3回目となる山梨県塩山の「裂石温泉」雲峰荘に5月2日~3日の一泊で行ってまいりました。 御代替わりで、テレビも新聞も雑誌も「平成最後の」、「令和初めての」が盛んに飛び交い、耳にタコができるほどでしたが、私にとっての温…

奥田英朗「我が家のヒミツ」

奥田英朗さんの「我が家のヒミツ」読了。6つの家族のヒミツというほどではないものの、それぞれの家族に起こった事象を軽妙に綴った短編作品集。 「虫歯とピアニスト」は、歯科医院で事務をしている敦美さんが、自身も好きな有名ピアニストが来院したことか…