「冤罪 女たちのたたかい」

冤罪にかかわった女性たちを主人公としたノンフィクション「冤罪 女たちのたたかい」読了。
徳島ラジオ商殺人事件の犯人とされた冨士茂子さん、袴田事件の殺人犯とされた袴田巌さんのお姉さんの袴田秀子さん、布川事件の殺人犯とされた桜井昌司さんの奥さんの桜井恵子さん、東住吉事件の殺人犯とされた青木惠子の4人を取り上げ、本人あるいは親族として冤罪を晴らしてい行った苦難を綴っている作品。著者はテレビの放送記者を経て大学教授となっている里見繁氏。
いずれの事件も決定的な客観的証拠がないまま死刑または無期、あるいは長期の懲役刑を言い渡された事件の長期にわたる冤罪を晴らす活動を執念で続けることによって冤罪が晴れています(袴田事件はまだ最終判決が出ていませんが)。
徳島ラジオ商事件は既にブログで書きましたが、ほかの3事件についても、警察。検察の自白の強要、裁判官の検察妄信による有罪判決には、つくづく司法の現状の無策を思い知らされます。
特に裁判官がまともに証拠を疑いを持って見ていないことによる冤罪の発生の助長に手を貸している現状には驚かされます。
一人の裁判官が抱える事件が何件あるのか、どれだけ忙しいのかはわかりませんが、少なくとも被告が無罪主張している事件については、優秀なおつむで検証してほしいものです。
東住吉事件の上告審で滝井繁男判事が無罪主張した記録が残っていたとのこと、残念ながら裁判途中に定年退官し、その直後に残された判事4人が全員一致で上告棄却してしまったとのこと。良い裁判官に当たるか当たらないかでその人に運命が変わってしまうような裁判はなくさなければ日本の司法の公正・公平は保たれません。所詮サラリーマン裁判官には出世第一しか頭にないのでしょうか。
今日はこの辺で。