深水黎一郎「人間の尊厳と八〇〇メートル」

深水 黎一郎「人間の尊厳と八〇〇メートル」読了。6年前に日本推理作家協会賞短編部門受賞の表題作を含めた5編の短編集。深水黎一郎氏は初めて聞く名前で、もちろん読むのも初めて。
ミステリーの範疇も相当広くなっているのを感じますが、特にこの作品は変わった作品。
とあるバーに入った主人公は、先客から不思議な話を持ち掛けられる。それは、陸上競技のなかで800m競争が最も厳しい競技であり、自分と競争しないかと持ち掛けられる。主人公は最初は話を合わせるだけだったが、その男の話が科学的な根拠を持って話すことから次第に引き込まれていく。見た目からして勝てそうもないのですが、何となく競争してもいいような状況になるのですが、皿の先客がいて、その話にいちゃもんをつけてきて・・・・。非常に不思議な魅力を持った作品であるがために、由緒ある賞に輝いたのでしょう。その他4遍も作者の哲学が表現されているのでしょうが、あまり記憶に残っていないので省略。
今日はこの辺で。