薬丸岳「その鏡は嘘をつく」

薬丸岳の夏目刑事シリーズの長編書き下ろし作品「その鏡は嘘をつく」読了。「刑事のまなざし」で鮮烈デビューを果たした夏目刑事を主人公とした作品。この作品では、W主演として志藤検事も登場し、両者がそれぞれ別の事件を追っているうちに、それが結びついていく様子を描きます。シナリオとしてはよくあるケースですが、内容で疑問な点も。
志藤検事は、とある医師の自殺について、これは自殺ではなく殺人事件と読み、かつての同僚女医を逮捕し追及する。一方の夏目刑事は、とある青年が暴行を受けた事件について不審を抱き追っていく。そしてこの二人が追いかける事件が一つの事件に集結します。小説自体は読みやすく楽しめたのですが、どうしてもげさないのが、女医が男性医師をどうやって殺したかの描写がありません。おそらく薬物を飲ませて眠らせ、首を絞めて殺し、自殺に見せかける細工をしたのでしょうが、簡単に眠らせることがはたしてできたのか?一応不審死ではあるので解剖すれば薬物が検出されるはずですが、簡単に自殺とだれが判断したのか?
何てケチをつければいくらでもつけられるので、この辺で。
今日はこの辺で。