中島京子「妻が椎茸だったころ」

中島京子さんの短編「妻が椎茸だったころ」読了。薄い本なので、一冊だけ持ち四万温泉の域帰りのバスで読むことができました。ただ、バスに乗っていると、どうしても眠くなってしまうことから、なかなかページが進まないのが難点。毎日の通勤電車ではスイスイ読めるのに何が違うのか?
表題作を含めて5編が納められた作品ですが、表題作の「妻が椎茸だったころ」がベストの作品。50代の妻を亡くした、定年になったばかりの男性が、料理教室に行くことに。一品だけ具材を作ってくるようにとの課題があり、椎茸の甘辛煮を作る。そんな時、妻のレシピ日記を見つけ、妻の生前の心を知ることになるという話で、何とも言えないほほえましい夫婦愛が味わえます。
「リズ・イェセンスカの許されざる新鮮な出会い」がブラックユーモア風で面白い。日本人の沙知絵さんがアメリカの片田舎でイェセンスカというご婦人に会い、彼女の過去に結婚した5人の夫が亡くなった話を聞くのですが、最後のページで恐ろしい結末が。
後の3篇はどうもあまり頭に入らない内容でした。
今日はこの辺で。