柚月裕子「蟻の菜園」

柚月裕子の「蟻の菜園」読了。いま最も人気のある女流作家の作品は、親の愛に恵まれず、父親からはひどい虐待を受けて育った姉妹の悲しい物語。虐待を受けたがゆえに、固い絆で結ばれた姉妹が、やむなく犯罪に手を染めてしまうのですが、少なくとも父親に対する犯罪だけなら、禁錮になることなく、裁判員裁判名などでは執行猶予もありうるような犯罪。しかしながら、そのあとの二つの犯罪は、例え上場はあっても厳しい判決となっても仕方がないのでしょう。ただし、妹の場合は心神喪失または心神耗弱でかなり減刑の可能性はあるのですが。
読んでいて残念なのが、パチンコ中毒になってしまい、犯罪が行われてしまうところ。この辺は何か安直な方向性に持って行ったような気がします。もう少し何かうまい筋書きはできなかったか?もちろん私には思いつきませんが。
今日はこの辺で。