映画「どん底」、「近松物語」

本日、京橋の東京フィルムセンターにて映画二題、フランス映画「どん底」と日本映画「近松物語」鑑賞。
どん底」は1936年の製作で、ヨーロッパではベルリンオリンピックが開催され、いよいよナチスドイツが周辺諸国へ侵略を開始しようとしていたころ。ジャン・ルノワールが監督し、ジャン・ギャバンが主演していました。その頃のジャンギャバンは、まだ若かりし頃でしたが、なかなかニヒルでいい男。戦後も引き続きスターであり続けた大俳優。この映画ではひょうきんなところも見せる演技でした。何しろ戦前の映画で、今の感覚からは評価のしようがありませんが、当時のフランス上流社会と下層階級の、いわゆる階級社会が厳然と存在したことがうかがえました。
近松物語」は、近松門左衛門作の浄瑠璃の変策を溝口健二監督が1954年に作った作品。当時からの大スター、長谷川一夫が主演し、奉公人と奉公先の主人の奥さんとの激しい恋を描いたもの。これも終戦後十年ほどの、かなり前の作品で、今の映画のような激情を赤裸々に描く手法ではありませんが、当時としては激しい映画だったのでしょう。
久しぶりに昔の映画を観させていただき、フィルムセンターに感謝。
今日はこの辺で。