映画「顔のないヒットラーたち」

ドイツのナチス関連映画「顔のないヒットラーたち」を武蔵野館で鑑賞。
ナチス指導者たちの犯罪はニュルンベルグ裁判で裁かれ、その後もナチスの犯罪者たちへの訴追は続いていたようですが、時とともに西ドイツ国内でも次第に関心が薄れ、国民全体が「古傷には触れたくない」気分が蔓延していた1950年代後半。そんな中、一通のアウシュビッツ収容者からの手紙が、フランクフルトアウシュビッツ裁判に結び付きます。この映画は、そんな時代の裁判までの道のりを、若い正義感あふれる架空?の検事を主人公として描きます。収容所で非人間的な行動をとり、現在は普通の市民として生活しているナチスの人間と、収容されていて生き延びたユダヤ人を捜し出し、収容所での犯罪を知らしめます。
翻って、日本では東京裁判でA級、B級の戦犯が裁かれますが、日本人の手で戦争犯罪者を裁くことは結局ありませんでした。それよりも、いまだに東京裁判を否定する勝利者の勝手な裁判と大声で否定している始末です。
ドイツの1950年代のナチスの犯罪にはあまり触れたくないという社会状況の中、自らの手で犯罪者を裁いたという歴史には重いものがあります。
今日はこの辺で。