映画「犬部」「騙し絵の牙」

2021.10.27(金)ギンレイホールにて日本映画2題鑑賞。

「犬部」は、青森の獣医学大学で、犬猫を一匹も殺したくないという信念をもって、サークルの「犬部」を作って、飼い主を募る活動をした主人公とその仲間たちが、十数年後に獣医師や保健所の職員、研究員になり、それぞれに犬・猫の命と向き合う姿を描く。

犬・猫はペットとして現代社会の人間生活に欠かせない癒しの存在となっているが、様々な事情により手放さざるを得ない時には、新たな飼い主を見つけるか、さもなければ殺処分される以外に道がない。そんな現実を受け入れられない人間がいてもおかしくはないが、現実的にはそれ以外の道は見つからない。でも、獣医師は動物の命を救うのが仕事であることは間違いなく、そんな理想を持った獣医師がいてほしいもの。本作の主人公は、そんな理想的な獣医師の他ならず、エピソードのいくつかに感動を覚えた。特に不登校になった女子小学生が犬を飼うことによって心が癒され、学校に行くようになり、立派な女性になっているエピソードには感涙。たくさんの犬猫の姿が出てきますが、どの犬猫もかわいく、飼いたくなる気分になりました。

「騙し絵の牙」は、出版不況と言われて、本や雑誌が売れない現代社会において、大手出版社の一雑誌の存続をかけた編集長の奮闘を描く。大泉洋扮する編集長は、どんな手段を使ってでも自らが手掛ける雑誌の存続を図ろうとする熱血漢。不祥事を起こした作家の作品掲載にも、逆思考で掲載を決めるなど、大胆な行動をとるなど、その行動力は社長も一目置く存在。そんな社長と蜜月と思いきや、いつはオーナーと裏ではつながり、社長を追い出すことまで画策する。熱血編集長の口癖は、「利用すればいい」。んでも利用するという発想で生き抜くしたたかさ。そんな編集長が、女性編集者にまんまと自分の発想を取られて悔しがるが、それでも潰れずに新たな挑戦をしていく姿には、大いに尊敬の念を抱かざるを得ないところでありました。

今日はこの辺で。