映画「ミナリ」「ファーザー」

2021.10.05(火)ギンレイホールにて映画二題鑑賞。いずれもあかでみーしょうにのみねーとされた評判の映画ということで、若干の期待感をもって鑑賞。

アメリカ映画「ミナリ」は、カリフォルニアからアーカンソーの片田舎に移住した韓国人家族の苦難を淡々と描く人間ドラマ。夫は農業での成功を夢見て農作業に励むが、なかなか成果が上がらず、妻はカリフォルニアに戻りたい気持ちを打ち明ける。途中から母親が一緒に積むようになり、細々とではあるが生活していく姿を「淡々」と描写。最後の火災の場面は盛り上がるものの、韓国人への差別が描かれるわけではなく、全体として盛り上がりに欠ける作品。アカデミー賞の作品賞にノミネートされ、「パラサイト」に続く2年連続韓国ものが受賞するのではないかともいわれましたが、それほどの作品ではありませんでした。

イギリス映画「ファーザー」は、アンソニー・ホプキンスがアカデミー主演男優賞を獲得した作品。正に彼の演技で成り立っていると言っても過言ではない作品の印象。認知症が進んだ老人に扮し、それぞれの場面が現実なのか、老人の妄想なのかが判別しがたいような場面構成をとり、観ている方も迷い込んでしまうような演出。セリフのある役者が6人しか出てきませんが、娘になったり買い越しになったり、娘の旦那さんだったり、介護施設の人だったりと目まぐるしく変わる場面で、多くのセリフを懇親の演技で演じる姿はやはり圧巻。こうした演技にはアカデミー会員が好むところで、アカデミー賞の常連となったアンソニー・ホプキンスでした。なお、イギリスでも、年老いた親を親身になって世話しようとする娘さんがいるのだなあと感心した次第です。

今日はこの辺で。