映画「ブラックバード」「ノマドランド」

2021.10.17(日)、ギンレイホールにて映画二題鑑賞。1週間前は一席空ける座席設定でしたが、やっとすべての座席が開放。日曜日のせいか、席はかなり埋まっていました。緊急事態宣言が解除され、あれだけデルタ株の感染力が強い強いと言っていたのが嘘のように、感染者が急速に減少し、世の中の緊迫感が相当弛緩してきたことが伺える街の様子。第6波は果たして来るのかどうか。100年前のスペイン風邪は、2~3年でワクチンもなくて収束していることから、もしかしたらこのまま収束してしまうのか?今日は冬型の天気で、明日からは乾燥した冬型天気が続くと思われるので、注意のしどころかもしれません。

本日鑑賞した映画は、非常に難しい社会問題を含んだ題材をテーマにしている作品。

「ブラックバード」は、日本語の副題が「家族が家族であるうちに」。不治の病い犯されたスーザン・サランドン扮する初老女性が、自分の体や頭がはっきりしているうちに安楽死を決意し、家族を読んで最後の週末を過ごす。アメリカのいくつかの州は安楽死が認められているようだが、彼女の住む州は違法。女性の夫が医者で、娘二人も納得し、妻・母親の意思を尊重するのだが、本当にそれで問いのかを家族や友人が悩みぬく場面が描かれる。数年前にNHKが安楽死を選び、スイスで最期を迎えるドキュメンタリーがあり、話題になりましたが、安楽死問題は人間の尊厳にかかわる問題で、特に超高齢化社会となり、寝たきりや認知症が増える中、いよいよ避けて通れない現実的な問題になるのではないか。勿論選挙のテーマにはなりにくい問題だが、それも避けて通れない日が来るかもしれない。

ノマドランド」は、「ノマド遊牧民」と呼ばれる車上生活者を追ったロードムービー。原作がノンフィクションなだけに、主役女性を演じたフランシス・マクドーマンドの車上生活をドキュメンタリータッチで描く作品で、実際のノマド生活者が出演して、その生活ぶりを描く。これらのノマドが増えた要因は、リーマンショック新自由主義の影響で職を失われ、結果的に車上生活を余儀なくされた人がほとんど。アメリカは先進国で最も格差の大きな国だが、その格差社会の一端が伺える。彼女たちは車を走らせながら、拠点拠点で働くのだが、本作の最初と最後に写される職場がAmazonの配送センター。巨大プラットフォーム企業が、アメリカの雇用を支えていることが伺える。ただし、やはりこうしたサービス業の雇用形態は契約社員で、賃金もそんなに高くはないことが伺える。

劇映画というよりも、ドキュメンタリーのような映画で、ひたすらマクドーマンドの表情を映し出し、それにこたえて様々な表情を見せてくれる彼女の演技力は確かのものでした。

今日はこの辺で。