中山七里「静おばあちゃんと要介護探偵」

80歳の元女性判事の静おばあちゃんが、名古屋の名物財界人、玄太郎さんと5件の事件解決をしていく中山七里先生の短編連作「静おばあちゃんと要介護探偵」読了。主に活躍するのは車いす生活ながら、怖いもの知らずで、かつ鋭い推理力を持つ玄太郎。静おばあちゃんは、この作品では添え物の存在。

わがまま放題に見えるが、実は人情家で正義感も強い玄太郎さんにかかっては、警察幹部も頭が上がらない存在。玄太郎さんのキャラは憎めないが、特に最後の事件「白昼の悪童」は、正に玄太郎さんの悪童ぶりがいかんなく発揮され、改造パワーショベルが暴力団フロント企業社長宅を襲う場面は痛快。しかし、この場面も中山先生のち密な計算で銃刀法違反を導き出し、最後は覚醒剤取締法違反を突き止める話の展開される。

静おばあちゃんの出番は、控えめ控えめで、存在感が薄いということが読了後に感じる作品でした。

今日はこの辺で。