2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

映画「風が吹くとき」「オールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」

イギリス映画「風が吹くとき」をamazonプライムで鑑賞。アニメで、しかも舞台は老夫妻の家の中で、出演するのも老夫婦のみ。それだけでも、原爆の恐ろしさが見る者に迫ってくる貴重な作品。旦那さんはもうすぐ核戦争が始まるという政府の話を信じて、マニュ…

中山七里「鬼の哭く里」

中山先生が、新型コロナ蔓延児の地方の様相を絡めて描いた「鬼の哭く里」読了。 コロナ蔓延時期、私たち夫婦はそれを気にせずにできるだけ旅行には出かけていましたが、大都市中心に感染者が多数出ていたため、地方に行くともっとおおらかなのかと思っていま…

中山七里「絡新婦の糸」

超多作作家の2023年11月発刊の作品「絡新婦の糸」読了。今年は世界中で選挙が行われ、“SNSと選挙”が大きな話題となり、世界中で大きな課題でもある。最も大きな問題はファクトかフェイクかだ。特にフェイクが氾濫し、それが直接的に当落に大きな影響を及…

遠田潤子「ドライブインまほろば」

遠田さんの作品中心月間になっていますが、今回は「ドライブインまほろば」読了。 比奈子さんは、奈良県の山間の峠道でドライブインを一人で営んでいる。彼女は結婚していたが、2年前に5歳の幼い娘を事故で失い、夫に懇願して離婚し、たまたま空き家になって…

韓国大統領の「非常戒厳」宣布に学ぶ「緊急事態条項」に関わる自民党改憲案の危険性

12月3日夜、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、突然「非常戒厳」を宣布。軍隊が国会議事堂周辺に出動するという事態が発生し、実際に議事堂周辺で非常戒厳に反対する人たちとの小競り合いも起き、騒然となった。国会はすぐに非常戒厳の解除要求を行…

遠田潤子「廃墟の白墨」

遠田潤子さんの作品には、何か深みのようなものを感じてしまうのだが、本作「廃墟の白墨」も同じような感覚を覚えました。それは出てくる登場人物と、それらの人が背負う悲しい運命が関係しているのかもしれない。 和久井ミモザは父親の跡を継いで香川県の丸…

天童荒太「ジェンダー・クライム」

天童作品を久しぶりに手に取ったのが「ジェンダー・クライム」。八王子南署管内で男が全裸死体で見つかり、捜査本部が設置される。死体から紙片が見つかり、そこには“目には目を”の文字が残されていた。怨恨の疑いが強く、男の身元確認から始まり、その男の…

映画「ロボット・ドリーム」

新宿武蔵野館にてアニメ映画「ロボット・ドリーム」鑑賞。先日私の家でもペットのセキセイインコを病気で亡くしました。原因が分からず、喪失感も大きく、いまだに後悔する毎日。10年ぐらいの寿命があると聞いていたものの、たった半年で死んでしまいました。…

喜多川泰「賢者の書」

喜多川氏の著作は「運転者」など数冊読んだ後途切れていましたが、いまだに売れている「賢者の書」を読了。正に人生における人間の生き方を教える哲学書というか教科書と言うべき作品。これを読むことで、もう一度人生をリセットしてやり直そうという子持ち…

道尾秀介「水の棺」

道尾秀介作品「水の柩」読了。2010年から11年にかけて小説現代に連載された作品で、直木賞を「月と蟹」で受賞したころと重なる頃。 とある温泉街で旅館を営む吉川家。主人公はそこの長男でいずれは旅館の跡取りになるかもしれない逸夫君が小学校5年生ごろか…

映画「侍タイムスリッパー」「偶然と想像」

日本映画「侍タイムスリッパー」は、最初単館で上映され、その面白さが話題になり、全国のシネコンでも上映されるようになった作品。幕末の相対立する幕府方と薩長方の武士が刀を交え、雷鳴・稲光とともに、現代の京都・撮影所にタイムスリップ。そこで時代…