中山七里「毒島刑事最後の事件」

警視庁捜査一課の名物刑事、毒島刑事の活躍を描いた中山七里作品、「毒島刑事最後の事件」読了。本書のテーマは殺人教唆。「教授」と言われる影の人間が、自分と同じように妬みのような感情を持つ人を巧みに操り、さも自分が主体的に犯罪を犯すように仕掛けて、実際に重大犯罪が次々と発生する。毒島刑事の推理で実行犯はすぐに捕まるが、毒島刑事は、その犯行態様から、バックに誰かが巧みに唆しているのではないかと推測し、その通りに実行犯は皆「教授」という名前が出てくる。そして最後に出てくるのが聖職者・・・・。

人間の卑しい心理的側面をうまく利用して己の恵まれない境遇のうっ憤を晴らす憎むべき犯人を追い詰める毒島刑事は、最後に犯人へ極刑と同じ選択を自らに課すことでジ・エンド。

毒島刑事は責任を取って辞表を提出し、推理小説作家を目指すことに。この作家が中山先生になるような気がしました。

今日はこの辺で。