映画「MINAMATA」

2021.10.19(火)、久しぶりに吉祥寺の街を訪れました。ウィークデーの日中ながら、アーケード街には結構たくさんの人出で、コロナから解放された雰囲気が漂いました。

アーケード街を通り抜けた先にある吉祥寺プラザで、アメリカ映画「MINAMATA」鑑賞。アメリカ人俳優のジョニー・デップ水俣病に関心を持ち製作した純粋なアメリカ映画で、デップが水俣病の写真を撮り、世界的に水俣病を認知させたと言われる写真家のユージン・スミスを演じ、未だチッソが正式に水俣病の原因企業であることを認めていなかった1971年に撮影を開始し、ライフ誌で発表するまでを描く。

当時のユージン・スミスは、戦争写真家として有名ではあったが、ライフ誌との関係も良くなく、家庭生活も崩壊して、アルコール依存症だったようだが、水俣に来てからもアルコールから抜け出せない姿が描かれる。アイリーンさんと結婚し、1974年まで水俣に滞在し、その後帰国して1778年に死去。59歳の短い人生であったが、本作品で描かれるラストの、胎児性水俣病の少女と入浴する母親の写真は、確かに彼の代表作と思われ、一時少女の遺族である両親とアイリーンさんとの間で、この写真を公開しないとの取り決めがあったようで、その前提に何があったかは語られていない。ただし、映画ではこの写真の撮影場面と写真そのものも映し出されており、映画のクライマックスともいえる感動的な場面となっている。

なお、ユージン・スミス水俣工場前で暴行を受ける場面があるが、実際には水俣工場ではなく、千葉の五井工場であり、株主総会水俣で開催はされていないはず。この辺は若干フィクションとなっている。

水俣病では、写真家のユージン・スミスさん、作家の石牟礼道子さんなど、数多くの活動家が艱難辛苦を繰り返し、支援してきたが、やはり患者本人と家族の苦悩とそこから湧き上がる怒りが最大の力になって、国やチッソが認めたのしょう。しかしながら、未だ患者として認められない現実があることを、私たちは忘れてはならない。その意味で、水俣病はまだ終わっていないのである。

今日はこの辺で。