映画「芳華」「僕たちは希望という名の列車に乗った」

本日はギンレイホールにて映画二題鑑賞。

中国映画「芳華ーYouth」は、文革後期から中越戦争、そして改革開放がなった1990年代までの中国を舞台に、軍の歌劇団に入団した主人公の女性を中心に、男女の団員たちの半生を描くドラマ。

主人公のシャオピンは、農村から出てきて団員になったものの、ほかの団員からのいじめに合い、ただ一人助けてくれる男性がに恋心を抱くが、その男性は歌劇団の歌姫に恋い焦がれており、歌姫に告白したばかりに団を離れていかざるを得なくなり、中越戦争の戦場に赴く。シャオピンも団を離れ、戦場の看護部隊に配属され悲惨な運命を経験。最後は二人が幸せになるという話ですが、その辺は最後に語られるだけ。

この映画で教えられたのが、1979年に起きた中越戦争が、両国で数万人規模の戦死者を出した激戦であったこと。ウィキペディアによれば、戦闘は2月17日から3月16日までの1か月間ながら、これだけの戦死者を出したということは、相当の地上戦が行われたということ。映画でも悲惨な戦闘場面が出てきました。ベトナム戦争時は中国がベトナムを支援したものの、ベトナム戦争終結ベトナムカンボジアに勢力を伸ばそうとしたことがきっかけの様ですが、中越戦争自体が歴史から忘れ去られている気がします。幸い一か月で戦闘が終わったことは幸いでしたが、両国には現在も西沙諸島南沙諸島の領有権争いがあります。

映画に戻りますが、1970年代の中国は、文革と四人組などの権力闘争、毛沢東死後の国内の混乱と中ソ対立、中越戦争、そして鄧小平が権力を握って以降の改革開放へ、目まぐるしい時代変革に時期。そうした時代にほんろうされる団員たちの姿も描かれ、なかなか興味深い映画でありました。

もう一本はドイツ映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」は、冷戦時代、それも1956年のハンガリー動乱時のの東ドイツを舞台とした実話に基づく物語。

18歳の高校生のクラスが、ハンガリー動乱の市民の死者を追悼するために2分間の黙とうを行ったことが当局の知るところとなり、当局は首謀者を追求する。生徒たちは家族や生徒同士との葛藤を抱えながらも、団結を守って抵抗する。当時のソ連支配下の東独や東欧諸国の厳しい思想統制がみられること、かつ終戦から10年程度しかたっていない時期の共産党ナチスへの憎悪なども描かれ、この映画もまた新たな歴史の事実を知る良い機会となりました。

今日はこの辺で。