東野圭吾「探偵倶楽部」

久しぶりに東野作品に図書館に目が行き、まだ読んでいないなあと思われる作品を物色。最近はボケが進んで、よっぽど印象に残らなければすぐにストーリーを忘れてしまったり、読んだこと自体も忘れがち。そんな中見つけたのが「探偵倶楽部」という作品。20年以上前の1996年ごろに文庫化された作品で、間違いなく読んだことがないことを確認して読みました。

東野作品だけあって、ひねりのきいたミステリーの連作短編が5作品。いずれも会員制の探偵倶楽部の男女の探偵2人が、会員から依頼を受け調査するのですが、ストーリーの中心は依頼者と事件当事者と刑事さんが主体。探偵倶楽部の男女の探偵が調査する場面はほとんど出てこず、調査結果を報告するのが主体。これもまた東野さんのストーリーテラーなところ。5作品のほとんどが、刑事が犯人を突き止めるのですが、実際の犯人は探偵倶楽部の調査から浮かび上がる別の人。

最後の作品「薔薇とナイフ」はその典型。真犯人の男女二人はまんまと企みを成功させ、警察の処理は真犯人の自殺で決着。ところが実際の真犯人を探偵倶楽部の探偵はしっかりととらえたという話。全くお見事のお話でありました。

今日はこの辺で。