2020-01-01から1年間の記事一覧

映画「ジョジョ・ラビット」「1917命をかけた伝令」

17日(土)はギンレイホールにて映画鑑賞。雨模様の中、上映開始30分近く前に入館したのですが、かなり混んでいました。まだ座席は30%着席禁止状態ですが、2作品とも人気で待ちかねていた方が多いからなのかも知れません。ちなみに先週の2作品時はこんなに…

菅首相は日本学術会議が推薦した会員候補6名の任命拒否を直ちに撤回せよ

日本学術会議(以下学術会議)が会員候補として推薦した105名のうち、6名が政府に任命拒否された事実が10月1日明らかになった。学術会議会員の定数は210名、任期が6年。3年ごとに半数が入れ替わることになっており、次の会員候補は学術会議が推薦し、首相が…

瀬木比呂志「ニッポンの裁判」

元裁判官で、現在は明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志が、「絶望の裁判所」の姉妹書としてかいた「ニッポンの裁判」読了。瀬木氏は、最高裁調査官も勤められた、いわばエリート裁判官のはずですが、どんなきっかけで日本の裁判所を絶望と感じ始めたのか?…

小杉健治「覚悟」

小杉健治の法廷ミステリー小説「覚悟」読了。先日読んだ「法廷ミステリー傑作集」の延長上で借りた本で、小杉氏の得意分野。小杉作品で登場する弁護士の鶴見京介がミステリーを解明していく作品です。 同じ会社に勤める男女二人が殺害され、その会社の派遣社…

映画「ストーリー・オブ・マイライフ 若草物語」「リンドグレーン」

10月10日(土)は56年前に東京オリンピックが開幕した日。当日は晴天でありましたが、本日は雨模様で映画鑑賞には絶好の日。ギンレイホールにて映画二題鑑賞。 アメリカ映画「ストーリー・オブ・マイライフ 若草物語」は、ルイザ・メイ・オルコットの自伝的…

映画「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」

韓国映画「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」を武蔵野館にて鑑賞。しばらくの間、映画館の席が定員の半分に抑えられ、隣の席が必ず空いていましたが、それも解除されたようで、席予約時の画面に指定できない席がなくなっていました。しかしながら、地味な映画…

東野圭吾「しのぶセンセにサヨナラ」

東野圭吾さんは1985年に「放課後」で江戸川乱歩賞、1999年に「秘密」日本推理作家協会賞、2006年に「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞していますが、この作品は乱歩賞と推理作家協会賞の間に書かれた作品で、「浪花少年探偵団2」を新装版として文庫化されたも…

山前譲縁偏「法廷ミステリー傑作集 判決」

徳間文庫の「法廷ミステリー傑作集 判決」読了。当代一流のミステリー作家による法廷劇の傑作を集めた短編集で、読みごたえが充分にある作品。 松本清張「奇妙な被告」。金貸しの老人が殺害され謝金をしていた28歳の青年が状況証拠と自白で起訴される。国選…

東北旅行記

10月2日~5日の3泊4日で東北旅行に行ってきました。6月に延期となった大人の休日倶楽部パスが9月末~10月初旬に実施されることになり、更にはGotoトラベルの東京除外も解除されたことから、計画を立てたもの。 初日は2年前に行った奥入瀬渓流を再訪。これは…

佃祐世「約束の向こうに」

40歳で司法試験に合格し、現在弁護士として活躍中の佃祐世氏著「約束の向こうに」読了。 まず年齢にびっくりし、かつ4人の小さなお子さんがいることにもびっくり。佃さんの夫は裁判官でしたが、脳腫瘍が発見され、その後は神経系統の病気も併発して、最後は…

映画「ソニア ナチスの女スパイ」

9月22日(火)、武蔵野館にて「ソニア ナチスの女スパイ」鑑賞。第2次世界大戦中、ナチスドイツに潜入しスパイ活動を行った女優の実話に基づくドラマ。 第二次大戦中、北欧の三か国、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドは、それぞれ別々の立場で苦労し…

映画「スキャンダル」「ジュディ 虹の彼方に」

9月19日(日)、飯田橋ギンレイホールにて映画二題鑑賞。ギンレイホールもコロナ感染防止対策は徹底していて、席は必ず空けるようになっているため、観客としてはありがたいのですが、映画館にとっては満員にしたいところ。10月からは緩和するため隣に観客が…

黒木亮「法服の王国」

英国在住で日本の小説を書いている黒木亮「法服の王国」読了。上下巻、800ページの大作ながら、ここのところ、裁判所・裁判官・裁判制度などのノンフィクションを読み続けているので、内容に入り込むことができました。 本作はフィクション・ノンフィクショ…

岡口基一「裁判官は劣化しているか」

岡口裁判官は、Facebookに過激な写真や意見を載せることがあり、大手新聞にも掲載され、何かと批判があり、マイナスイメージのある方。しかし、裁判所の司法官僚支配の中、これだけ勇気あることをするというのは、ある意味すごいことです。また、決しておか…

岩瀬達哉「裁判官も人である」

岩瀬達哉さんはジャーナリストで、年金問題に詳しいようですが、その岩瀬氏が現職・OB裁判官100名以上を取材して書き上げたのが本書。OB裁判官が書いた現在の日本の裁判所・裁判官の問題を扱った書籍もありますが、ジャーナリストの観点から書いた本書も…

東野圭吾「あの頃の誰か」

東野圭吾の短編集「あの頃の誰か」読了。 この作品は、いずれも1990年代(一策のみ1989年12月)に雑誌に掲載されたものの、短編集として単行本化されなかった作品を集めたもの。あとがきで東野さんが「いずれも納得のいかない作品」というようなことを言って…

「無罪を見抜く 裁判官・木谷明の生き方」

裁判官時代に30件以上の無罪判決を行ったことで有名な木谷明氏の長時間インタビューをまとめた「無罪を見抜く 裁判官・木谷明の生き方」読了。 裁判官も検事も司法官僚と化してしまった現在の法曹界。そんな中にあって、30件以上の刑事裁判で無罪判決を出し…

東野圭吾「怪笑小説」

東野圭吾の懐の深さを改めて感じさせる9編の短編集「怪笑小説」読了。本格推理小説の名手である東野ですが、こういった軽い調子の短編を書けるのがすごいところ。我々がどこかで感じていることを題材として、これだけのエンタメができるとは。 どれも素晴ら…

映画「娘は戦場で生まれた」「ビッグ・リトル・ファーム」

9月5日(土)ギンレイホールにてドキュメンタリー映画二題、「娘は戦場で生まれた」「ビッグ・リトル・ファーム」を鑑賞。 「娘は戦場で生まれた」は、シリア内戦の中、アレッポでアサド政府軍を支援するロシア軍の攻撃を受けながらも、ジャーナリストとして…

ドキュメンタリー映画「はりぼて」

8月30日(日)渋谷のユーロスペースにてドキュメンタリー映画「はりぼて」鑑賞。 「はりぼて」の国語的な意味は、「ざるや籠に紙を貼り、漆や渋を塗ったもの」で、ここから派生して「見かけは立派だが実質が伴わないことやもの」の意味もある。この映画は後…

辻村深月「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」

辻村深月さんの長編作「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」読了。この作品をNHKが長澤まさみ主演でドラマ化しようとしたものの、脚本が本作の趣旨から離れているという辻村さんのクレームで裁判沙汰にもなったといういわくつきの作品。この件はあとで述べよう。 …

安倍首相の退陣

2020年8月28日(土)午後2時、安倍首相が自民党役員会で辞任の意向を表明した。数日前に佐藤栄作元首相の連続在職日数を更新したばかりですが、持病の再発で重責を果たすことが困難になったとの理由。これから後任選びが本格化するが、その選出方法は二階幹…

辻村深月「鍵のない夢を見る」

辻村作品の代表作でもあり、2012年に直木賞を受賞した5編の短編集「鍵のない夢を見る」読了。短編集の主人公はいずれも地方都市に住む若い女性。辻村さん自体が山梨県で育ち、大学も千葉だったので、若いころは東京には住んでいなかったはず。従って、地方都…

映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地」

8月22日(日)、新宿武蔵野館にてイギリス映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地」鑑賞。 ナチスのホロコースト映画は、75年たった現在も盛んに作られており、その悲惨さを映像がこれでもかこれでもかというように伝えています。それに比べてソ連=ロシアでの…

辻村深月「朝が来る」

辻村深月さん作品を集中的に読もうと思い、「朝が来る」読了。 特別養子縁組制度については、何かの本で読んだことがあるのですが、こうした小説を読むとより理解が深まります。本作は、この特別養子縁組制度を利用する、すなわち子供を持ちたい夫婦と、子供…

辻村深月「ロードムービー」

辻村深月さんは、今最も売れっ子の女性作家ではないでしょうか。2012年、32歳の時に「鍵のない夢を見る」で早々と直木賞を受賞。その後も話題作を発表していますが、そのペースは全く衰えていません。本書「ロードムービー」もなかなか読ませる3篇の短編集。…

中山七里「恩讐の鎮魂歌(レクイエム)」

久しぶりの小説、中山七里著「恩讐の鎮魂歌(レクイエム)」読了。 最初の船の沈没事故の描写は、韓国という国名がはっきり記され、避難する乗客の一人の男が、若い女性が確保していた救命胴衣を暴力で奪って、その男は助かり、女性は行方不明となった筋書き…

夏の長期休暇の過ごし方

8月8日~16日までの9日間の長期夏休み。この休み前に2泊3日の信州温泉旅行もあって、今回の休みはひたすら家籠りの予定でしたが、11日から一泊二日で河口湖の温泉に行ってきた。久しぶりにいい天気に恵まれ、初めて富士山5合目までバスで行くと、本来であ…

秋山賢三「裁判官はなぜ誤るのか」

24年間裁判官に従事し、その後弁護士となった秋山賢三氏著「裁判官はなぜ誤るのか」読了。新書の200Pなのですが、かなり読むのに時間を要しました。読んでいて感じたのは、裁判、裁判官への失望です。秋山氏本人が言っているように、裁判官時代と弁護士にな…

守屋克彦編著「日本国憲法と裁判官」

日本の裁判所、裁判官の問題については、元裁判官の安倍晴彦著「犬になれなかった裁判官」などで取り上げていましたが、守屋克彦編著「日本国憲法と裁判官」は、編著者はじめ全部で30名の元裁判官が、自身の経験からその問題点を明らかにしています。 全体に…