ドキュメンタリー映画「はりぼて」

830日(日)渋谷のユーロスペースにてドキュメンタリー映画「はりぼて」鑑賞。

「はりぼて」の国語的な意味は、「ざるや籠に紙を貼り、漆や渋を塗ったもの」で、ここから派生して「見かけは立派だが実質が伴わないことやもの」の意味もある。この映画は後者の意味を想定した喜劇のような映画。

数年前、富山市議会で多数議員の政務調査費の不正使用が発覚しましたが、この問題を地元のチューリップテレビ局がしつこく取材し、議員辞職まで追い込んだ模様をドキュメンタリーにし、劇場版として上映された映画。

映画は、富山市議会自民党の親分的な存在の議員の取材から始まる。市議会議員の議員報酬を月60万円から70万円にする改定案が示され、当該議員がしきりに「議員を辞めたら退職金もない、年金もない身分」を強調する場面から始まる。確かに議員専業の方にとっては決して高くはないかもしれない金額。結局この条例案は議会で可決されるのであるが、テレビ局は政務調査費の不正請求に切り込んでいき、自民党議員を中心に次から次へと同じような不正が発覚し、議員辞職せざるを得ない状況に追い込まれていく姿が描かれる。

政務調査費兵庫県議の問題が発覚してから、厳しい市民の目が入るようになったが、実態としては、おそらくどこの地方議会でも、多かれ少なかれ行われている不正。こういった不正は警察や検察内部でもたびたび問題になり、是正されてきた歴史があるが、「周りがやっているから自分も」と議員は言いたいのでしょうが、それを言うことは自殺行為。

さて、問題は2元代表制と言われる現在の日本の地方自治の実態。市民のために頑張っている議員さんもいることはいますが、はっきり言ってそんなに必要性を感じない人が多いでしょう。都道府県市町村の行政を監視するという重要な役目はありますが、それだけだったらもっと少数の監視制度があればいいとも思います。

富山市議会では14名の議員が辞職し、新たの14名が議員になりました。やめなかった議員もいますが、新たな議員が中心になって新しい議会を創っていけるのか。とかく世襲議員やベテラン議員が幅を利かせる今の日本の政治のなか、ここが変わったというものを是非見せていただきたいものです。

今日はこの辺で。