地下鉄サリン事件23年目の集い

地下鉄サリン事件から23年が経過しました。たまたま朝日新聞に23年目の集いがあるという記事を見つけ、日暮里のホテルラングウッドに17日(土)、参加してきました。
東京メトロ霞が関駅で被災・死亡した高橋一正さんの奥さん、高橋シズエさんが被害者代表を務める被害者の会の主催で、毎年開催されているとのこと。この集会の存在を全く知らなかったのは不覚でした。
参加者はマスコミ関係者を含めて、177名。特にマスコミ関係者が多いことには驚きました。そして、若い学生さんもたくさん参加されていました。
内容は、高橋さんの講演と当時捜査にあたっていた警視庁の刑事さんが、当時の捜査の状況を講演しました。そのあとは、今回初めての試みということで、参加者が7~8名に分かれての討論会。少し躊躇しましたが、思い切って参加しました。
私自身は、かつて村上春樹氏の「アンダーグラウンド」で被害にあった方たちの当日の状況とその後の苦痛などを読んだ程度。その後は新聞記事等で裁判の状況などを読んだ程度。
さて、参加して感じたのは、23年がたって事件そのものが風化してきていること、依然として後継のアレフと光の輪の2団体が活動し、信者を集めていること、オウム真理教被害者救済法ができたものの、いまだに苦しんでいる方々が多数存在していること。すなわち、水俣病のような公害事件、あるいは福島原発事故と同じような構図がそこにあることです。
水俣病では、患者が確認された時点で、チッソの排水が疑われたにもかかわらず、正式に原因が排水にあることが発表されるまで12年間もかかったという、国や県の不作為がありました。オウム事件坂本弁護士事件など、多くの前兆があり、松本サリン事件が1年前にあったにもかかわらず、放置されたことは、警察の大きな不作為であるといわざるを得ません。こういった事件の犠牲者は、行政の不作為によって拡大し、苦しみが拡大したことにあります。
すでに裁判は決心し、浅原以下13名の死刑判決が下っています。この死刑囚もこれから処刑され、事件はいよいよ風化していく可能性があります。
そうならないように、こうした集会を通じて語りつないでいくことには大きな意義があると感じました。
今日はこの辺で。