伊岡瞬「いつか、虹の向こうへ」

「悪寒」に続く伊岡瞬作品「いつか、虹の向こうへ」読了。今私は無職で、一日おきに自宅近くにある杉並区の体育館に通い、約2時間の有酸素運動・ストレッチ・筋肉体操で汗を流し、その後は併設されているカフェで2~3時間の読書、体育館に行かない日は近所の図書館での読書、または映画鑑賞という時間消費生活。したがって、読書量は相当なものですが、読んだ先から忘れてしまう情けない内容。シルバー人材センターや社会福祉協議会の説明会にも参加したが、今のところ労働実績なし。やっているのは、家の掃除機掛けやたまにする料理ぐらい。こんな生活でよいのか?という思いもあるのですが。

さて、伊岡作品はなかなか読みやすく、はまり込みそうですが、本作は横溝正史賞受賞作でもあり、なかなか面白い作品。たまたまNetflixで日本のTVドラマ「アバランチ」を並行して観たため、重なり合った部分があり、共鳴しました。その重なった部分とは、一つの「場」に集まった仲間たちということ。

本小説の主人公は元刑事の尾木。彼は刑事時代に魔がさしたことから誤って人を殺し服役。当然刑事はやめ服役後は警備員として働く身。唯一の財産である家に数人の「仲間」ともいうべき人たちと暮らす。その仲間たちの素性は後々小説の中で語られるのであるが、酔っぱらって帰宅途中に若い女性を「仲間」に迎えることに。それからは、やくざや警察が絡んだハードボイルが展開することになる。何度も何度も殴られ、ろっ骨を骨折したりのハードな場面が続くが、良く体がもっているものですね?と思うくらいのハードボイルド。これが正にTVドラマ「アバランチ」の綾野剛扮する正義の実現者と同じ。

そんな中、下村恭子さんというかわいそうな女性のエピソードどキャラクターは秀逸でした。

殺人事件の犯人探しでも、最後にどんでん返し的場面もあり、読みどころ満載の作品でありました。

今日はこの辺で。