浅田次郎「初等ヤクザの犯罪学教室」

浅田次郎「初等ヤクザの犯罪学教室」読了。
浅田次郎の真骨頂がいかんなく発揮されているエッセイ?それとも小説?
浅田次郎が自分の経験を踏まえたかのように、巧みに犯罪学を語ります。中でもやくざ抗争の現場に直面し、一緒にいた親分が殺害されるところを、いかにも経験したかのような筆致で語るところがあったり、警察のブタ箱に何度も入っていたり、あくどい整理屋をやって大儲けしていたりと、知らない人が読めば、「浅田次郎はとんでもない犯罪者なんだ」と誤解を与えそうな表現を巧みに使い、本人が犯罪者になりきって書いているところが特異な読み物になっています。
でも安心して下さい。浅田次郎先生は自衛隊に入り、除隊してアパレル業界に身を置き、そこそこ稼いで小説家になった方。
それにしても、さすがは「天切り松」や「プリズンホテル」の作者。どこでこれだけ犯罪のことを勉強したのか?
やっぱり本当はヤクザだったのかも?
今日はこの辺で。