映画「枯れ葉」

フィンランド映画界で巨匠と呼ばれるアキ・カウリスマキ監督が5年ぶりに撮った作品とのことで、大変口コミの評判が良いので、新宿シネマカリテにて「枯れ葉」鑑賞。

同監督は小津安二郎作品の信奉者とのことで、小津作品の特徴がみられると思っていましたが、正に小津作品を見ているような錯覚を覚えました。

舞台はフィンランドヘルシンキと思われる街。孤独な男女がたがいに惹かれあう姿が淡々と描かれます。全く派手さのない、ひと昔前の時代を思わせるような映像ながら、ラジオからは現在のウクライナ戦争のニュースが流れることから、間違いなく時代は現代。女性はスーパーに勤めているが、廃棄食品を持ち帰ろうとしたという理不尽な理由で解雇され、肉体労働に転職。男性もアル中で首となり職を転々。一度は女性がアル中を嫌い別れるが、男は女性が忘れられずに酒を断って、最後はハッピーエンドとなるが、男女とも若いという雰囲気はない、どちらかと言えば寂しい中年。セリフも少なく淡々として進む映像は小津作品そのもの。そんな淡々とした映画ながら、何故か記憶に残りそうな作品で、そこが巨匠たる由縁かもしれない。一風変わった映画ですが、心に残る作品でした。

今日はこの辺で。