読書日記

石牟礼道子さんの死去と地下鉄サリン事件23年目の集いへの参加、そして志布志事件という冤罪事件を知ったことから、ここ3カ月ほどは小説はほとんど読んでおらず、水俣病関係、オウム事件関係、志布志事件と冤罪関係のノンフィクションを読む毎日。
志布志事件関係では、朝日新聞取材班の「虚罪ードキュメント志布志事件
松本サリン事件の河野義行さんの弁護士永田恒治氏が言った言葉「犯罪は作られる」をまさに地でいったのが「志布志事件」人口20人ほどの山深い集落の人を191万円ものお金で釣ってもいくらも票にならないのに、鹿児島県警は県議選の当選者と住民を無理やり自白させて犯罪を作り上げた恐ろしい事件。河野さんも厳しい取り調べで犯罪者にさせられましたが、こんな理不尽が許されるのかと思うような、考えられない事件。計サルは恐ろしい。
そして今読み終わったばかりの魚住昭著「冤罪法廷」は、厚労省の課長当時に逮捕された村木さん(後事務次官)の冤罪事件を追ったノンフィクション。こちらは大阪地検特捜部がストーリーを考え、その通りに犯罪者を仕立て上げた冤罪事件。
こうした冤罪関係の本を読んでいると、警察なり検察は、気に入らない者がいれば誰でも犯罪者にしたてて、いともたやすく有罪に持っていける力があることが分かります。本来は警察の暴走を検察が止め、警察・検察の暴走は裁判所が防波堤にならなければならないのですが、残念ながらこの司法三者は太い糸でつながっており、決して弱者の見方にはなりえないことを肝に銘じるべきでしょう。
地下鉄サリン事件関係では、20年ぶりにぐらいに、村上春樹アンダーグラウンド」再読。被害にあった方60名程のインタビューからなるこの作品、事件に対する思いやオウムへの怒りは千差万別で、改めてあの巨大テロ事件を再認識しました。
今日はこの辺で。