映画「ハナ 奇跡の46日間」

11月29日(水)、韓国文化院にて韓国映画「ハナ 奇跡の46日間」鑑賞。
1991年、卓球の世界選手権が千葉の幕張メッセで開催され、韓国・北朝鮮統一チームが参加し、女子団体で統一チームが優勝した実話を映画化したもの。
先ずは映画の講評から。開催まじかの時期に決まった統一チームでの参加に戸惑う韓国選手。映画では政治的な決定ということの背景は語られません。千葉に乗りこんだ統一チームは、やはり最初はお互いに葛藤があり、チームとしてのまとまりがありません。それでも練習は一生懸命にやり本大会に備えます。そしていよいよ本戦の開始。最初に戦ったのが日本チーム。当時の日本にはまだ愛ちゃんは出現しておらず、弱小チーム扱い。そんな弱小チームに苦戦するありさま。北朝鮮のNO.2選手が緊張で本来のゲームができません。それでもお互いのエースが頑張って、決勝に進む。この間には両国選手のいさかいやエース同士の関係が映し出され、最後は奇跡の逆転で中国を破る大金星。こんなことがあったのかと、25年以上前のことで記憶にありません。確かに当時の日本卓球界は今のような隆盛がなく、人気も今一つで記憶に残っていまいのでしょう。最後はとにかくハッピーエンドで、私の涙腺も開きっぱなしでした。
さて、次はなぜ統一チームが実現したのかです。映画では全くそのあたりは語られませんから、ネットで調べてみました。
当時の国際卓球連盟の会長は、世界チャンピョンにも輝いた日本の荻村伊智朗氏。彼が活躍した1950年代は日本卓球の黄金時代で、目覚ましい活躍がありましたが、次第に中国などに後れを取り、最近の復活までは長いトンネルがありました。そんな黄金時代のエースでもあった荻村さんが国際卓球連盟の会長になり、なんとか朝鮮半島の統一チームを参加させたいと尽力した事実を知る人は少ないと思います。
荻村さんは、韓国に20回、北朝鮮にも15回足を運び、統一チーム結成を両国に呼びかけ、それを実現したとのこと。今の緊張した朝鮮半島情勢からしてみると、まさに奇跡を実現したといっても過言ではありません。女子団体チームが優勝し、国歌ではなく「アリラン」が演奏された表彰式の場面は、一瞬でも両国が統一した瞬間だったかもしれません。
映画にも感動しましたが、日本人の会長がこんな大きなことをやっていたとは、何とも感動モノでした。
今日はこの辺で。