映画「モガディシュ」「オフィサー・アンド・スパイ」

10月に入って急に寒くなり、昨日・今日は既に真冬並みに感じられる寒さ。やはり秋はちゃんとやって来てほしいものです。

本日はギンレイホールにて映画二題鑑賞。ギンレイホールもビル建て替えのため、現在移転先のホールを物色中とのことで、今の場所では11月27日までで閉館。飯田橋の駅近で便利なところでしたが、残念です。ここで鑑賞できる作品もあと八作品ぐらいになりました。ということで、冷たい雨が降る中、そしてまだ通勤ラッシュの中、電車で行ってきました。

韓国映画モガディシュ」は、1990年、アフリカ・ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮大使館員が、国家対立の壁を越えて、首都モガディシュから脱出する姿を描いたアクション映画。ソマリアは未だに政情不安定な国であるが、1990年ごろもまた激しい内戦が勃発。北朝鮮大使館から命からがら脱出する外交員とその家族が、韓国大使館に助けを求め、韓国大使が英断をもって彼らを受け入れ、無事ナイロビまでの脱出を成功させるストーリー。当時は分断国家として、まだ両国とも国連には未加盟だったが、両国とも加盟のロビー活動をアフリカでも展開していた時期。その活動での両国のさや当てもあり、また本国との関係もあり、微妙な関係。韓国は2年前にソウルオリンピックを開催、それに対して北朝鮮はテロ行為も展開していた時期で、確かに微妙な関係。そんな国情という要素と、車でイタリア大使館に向かうまでの派手なカーアクション場面など、なかなか見せ場があり、痛快な映画でありました。

フランス映画「オフィサー・アンド・スパイ」は、19世紀末にフランスで発生したスパイ冤罪事件「ドレフェス事件」をロマン・ポランスキー監督が正攻法で描いた作品。ナポレオンの伝統を継ぐフランス陸軍であるが、普仏戦争に敗れ、第一次大戦前夜の時期、すなわち対ドイツとの関係が悪い状況下、ユダヤ人将校のドレフェスが機密情報をドイツに流した罪で有罪判決を受ける。そうした中、諜報部長になったビカール大佐が事件の真相を探り出し、陸軍や政府と法廷闘争する物語。当然大権力に挑むためになかなか無罪を勝ち取れないが、エミール・ゾラまでドレフェスの無罪の記事を書いて形勢を逆転していく。最終的には無罪を勝ち取るのであるが、権力は何でも隠蔽して真実を隠そうとするのはいつの世も同じ。それでもフランスあたりは革命国家だけに、最後は正義が勝つことができたのでしょう。

今日はこの辺で。