映画「ヒットラーの忘れもの」

デンマーク映画ヒットラーの忘れもの」を銀座シネスウィッチで鑑賞。非常に重く切ない映画。
デンマークは第二次大戦中5年間ドイツに占領され、保護国として屈辱の時を過ごした国。ドイツ敗戦と同時に開放されたものの、邦題のヒトラーの忘れ物である地雷が約150万個、デンマークの海岸沿いに残され、この撤去を敗れたドイツ兵にさせたという史実があったようですが、この史実を映画化したもの。
映画で描かれるのは、敗戦国ドイツを徹底的に嫌うデンマークの軍曹や軍関係者。そして地雷撤去に駆り出されたのはまだあどけなさが残るような少年兵たち。デンマーク軍軍曹は、少年兵たち12人と後から来た二人、都合14人の少年を地雷撤去の危険な作業をさせる。そしてこの作業で少年兵たちは次々に地雷に触れて死んで行き、残ったのは4名のみ。最後はこの軍曹が4名をドイツ国境近くで逃がすのですが、8名の貴い命は消えてなくなったという残酷。
戦争の悲惨さ、終戦後の後味の悪さをこれでもかというように描くこの映画は、観るものを震え上がらせます。戦争では原爆を始め、生物化学兵器などの大量殺りく兵器の残酷さや怖さが浮き彫りになりますが、地雷もまた戦争後も人間を苦しめる兵器として、この上もなく残酷な兵器。
戦争は国と国との喧嘩ではありますが、国民を最も苦しめる無残な行為であることを印象付ける作品でした。
今日はこの辺で。