映画「否定と肯定」

24日の日曜日、日比谷のシネマシャンティで、イギリス映画「否定と肯定」鑑賞。
1994年に実際にあった「アーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件」を題材にした実話ドラマ。デイヴィッド・アーヴィングはイギリスの歴史作家で、かねてよりナチスによるホロコーストを否定していたが、これに対してアメリカのユダヤ歴史学者、デボラ・リップシュタット教授が、その著書でアーヴィングを批判したことから、アーヴィングがイギリスで名誉棄損訴訟を提起したことから、ロンドンで裁判が始まり、その模様を描いたドラマ。
ヒトラーユダヤ人虐殺を命じた文書が残っていないことを盾に、ホロコーストは歴史的事実ではないこと、および表現に自由をアーヴィングが主張するのに対して、リップシュタット側はアウシュビッツの生き残りのユダヤ人を証言台に立たせることなく勝利を導くという戦法をとる中で、弁護団と衝突するリップシュタットの姿などが描かれ、結果的にはアーヴィングが敗訴。
こうした裁判があったこと自体知らなかったのですが、こうした議論については、日本軍の行った「南京大虐殺」事件を重い浮かばせます。虐殺されたユダヤ人が600万人だったのかどうかは、確かにそこそこの国家の人口に匹敵する数であり、首をかしげる向きもあります。同じように、短期間に30万人の市民を虐殺したとされる南京事件も過大と思うのですが、事件としてあったことは事実なのでしょう。
右派系の日本の論客は南京事件を否定しているようですが、間違っても中国人に対して名誉棄損訴訟はしないようにお願いしたいもの。
今日はこの辺で。