映画「あん」

新宿武蔵野館で日本映画「あん」鑑賞。たくさんのレビューにあるように、樹木希林の演技によるところの大きな映画であることは間違いない。演技なのか自然体のかが判別しがたいような、とぼけた味が抜群にすばらしく、題材と相まって、深い感動を呼びました。
河瀨直美作品は、カンヌ映画祭では抜群の人気と知名度らしいのですが、私はこの作品が初めて。前二作はどちらかというと哲学的な映画の印象があり避けていたのですが、この作品は、ハンセン氏病という、長い間差別に苦しんできた人を題材にしていることもあり、感動を誘う作品に仕上がっていました。
ハンセン氏病というと思い出すのが、松本清張の「砂の器」小説以上に感動的だったのが野村芳太郎監督作品。加藤嘉演ずるハンセン氏病の父親と旅をする少年の哀しい過去が今でも目に浮かぶ名画。
砂の器」にはスケール的に及びませんが、この作品も小品ながら樹木希林の演技により、名画と呼ばれる部類に入る作品ではないかと思いました。
今日はこの辺で。